この講義では,低次元位相幾何で近年注目されている,曲面上の曲線複体について解説する。時間が許せばこの理論の顕著な応用例についても述べたい。
最近Klein群論や写像類群の研究において,重要な役割をしている
曲線複体の幾何学的理論を紹介する.
以下の計画の内容から進み具合により取捨選択して講義を行う.
1.曲線複体の定義と基本的性質
2.曲線複体の類似物:pants複体とmarking複体
3.曲線複体とelectric Teichmuller空間,その双曲性
4.曲線複体の測地線
5.測地線のhierarchy構造
Masur-Minsky, Geometry of the complex of curves. I. Hyperbolicity.
Invent. Math. 138 (1999), no. 1, 103--149.
Masur-Minsky, Geometry of the complex of curves. II. Hierarchical
structure. Geom. Funct. Anal. 10 (2000), no. 4, 902--974.
位相幾何学・Riemann面の基礎的知識を持っていること
講義中に指示する