空間図形の理解と空間把握力を養うことを目的に図法幾何学を学ぶ。図法幾何学は,図形問題を数式を使わずに紙面上で適当な図形変換を行うことによって解を導くことを基本とする学問である。講義では第三角法に基づく図法幾何学について解説する。また演習では講義に関連する図形問題を解くことによって理解を深める。
図形・図形科学第一では、三次元の立体を平面(紙面)に描写する方法を学び、数式を使用せずに立体の幾何学的特徴を見いだす図法幾何学について学ぶ。また演習を通して空間図形の理解を深め、空間把握力を養うことを目的としている。
講義と演習を隔週毎に行う。また図形科学に関する話題についても適宜紹介する。
1. 三角法による立体表現の方法、直線の実長と角度の求め方。
2. 点視図と直線視図を用いた図法幾何学問題の解法
3. 交点、交線の求め方、曲線表現と接触箇所の求め方
4. 立体の切断面の求め方、立体同士が相貫する共通線の求め方
5. 等測図および斜軸測投影図の原理と描き方
6. 透視図の原理と描き方
7. 立体の展開
「例題で学ぶ図学 第三角法による図法幾何学」森北出版株式会社(伊能教夫,小関道彦著)を使用する。(第1版第2刷)
演習には以下の製図用具が必要である。
・鉛筆あるいはシャープペンシル。芯はHB程度(ボールペン、万年筆等は使用しない)
・消しゴム
・三角定規(20~30cm程度のもの)
・コンパス(シャープペンシル式推奨,半径15cm程度の円が描けるもの)
演習の提出と期末試験による総合評価で行う。
本講義は、機械製図で用いられている第三角法による形状表現に基づいている(機械系の学生向けに構成している)。後学期の図形科学第二では形を数理的に表現する方法について学ぶが、本講義と共通する内容も含んでおり数式の意味を考える上でも本講義は役立つはずである。