この授業では、「社会制度の正当性」をテーマに、婚姻制度や福祉政策などが持つ社会的な意義や正当化根拠を、哲学的な観点から検討する。それにより、人間の行動や社会を捉える根源的な視点を身につけると共に、論理的な問題検討能力・批判能力を養成することがねらいである。授業は、講義と討論の両方から構成されるので、履修者には、講義内容を十分復習しつつ、積極的に議論に参加することを求める。
①社会制度を(表層的でなく)哲学的・根源的に考察する視点を身に着ける。
②上記①の視点に立って、現実の制度や政策に関する論点・問題点の抽出や検討ができるようになる。
③社会的な問題に対して、自分の考えを合理的に提示したり、他者の主張を合理的に批判したりする力を身につける。
(以下は予定であり、受講生の理解度や授業の進捗状況を踏まえて内容や順序を変更することがある。)
第1回 授業の進め方の説明
入門講義1:「自由と平等」に関する基本的立場
第2回入門講義2:道徳的視点と法的視点
第3回社会福祉の考察1:復興増税――論点の抽出
第4回社会福祉の考察2:復興増税――論点の検討
第5回社会制度の考察1:人権と婚姻制度
第6回社会制度の考察2:契約婚
第7回社会制度の考察3:婚姻制度の正当化根拠
(上記は予定であり、受講生の理解度や授業の進捗状況を踏まえて内容や順序を変更することがある。)
場所 世界文明センター2階
時間 10:45-12:15
特定の教科書は使わない。(授業の中で随時レジュメを配布する。)
参考書(主なもの)
・瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)
・深田三徳・濱真一郎編著『よく分かる法哲学・法思想』(ミネルヴァ書房、2007年)
・森村進『法哲学講義』(筑摩書房、2015年)
・森村進『自由はどこまで可能か』(講談社現代新書、2001年)
・井上達夫『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』(毎日新聞出版、2015年)
*その他の参考書は、授業の中で適宜指示する。
授業の中で受講生に意見を聞いたり、討議を行なったりする予定なので、積極的な授業参加を求める。
1、2回程度のレポートによる。
併せて、授業での質問・議論の状況を勘案する。
詳細は授業の中で説明する。
人数制限を行うことがあります。(人数制限のためにレポート等の提出が必要な場合があります。)
ガイダンス(日時:10月7日(水)12:20~13:00 場所:西9号館W933)に必ず出席してください。