数理社会学第一   Mathematical Sociology I

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担当教員
青木 健一 
使用教室
月5-6(W935)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0161
シラバス更新日
2015年3月18日
講義資料更新日
2015年3月16日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

ヒトの社会行動の決定要因は、大別して3通りある。つまり、遺伝子、文化、イノベーションである。遺伝子(エピジェネティックな側面を含む)は、生物進化の産物であり、過去の環境において適応的であった本能行動を取るように我々を仕向ける。文化も、遺伝子と同様に世代を超えて継承され、我々の行動を方向付ける。イノベーションのみが我々の行動にある程度の自由度を与える。本講義では、具体的な事例(利他性と協力性、近親相姦の回避、学習戦略、人口と技術水準など)を踏まえた簡単な数理モデルを中心に、遺伝子の進化および文化の進化を解説し、その帰結としての我々の社会行動を論じる。

講義の目的

人類700万年の進化史および文化の縛りを考慮し、普通の社会学より時間的に長い視点から、ヒトの社会行動を解析する。社会行動のモデリングに必要な基礎的な数学を平易に説明する。

講義計画

口開けとして、数学の中でも遊び心に満ち、日常生活にも役立つ確率について述べる。また、イノベーションの伝播に共通するパターンを紹介し、これが簡単な数理モデルで説明できることを示す。以後、講義概要で挙げた具体的な事例を中心に、それぞれの現象の詳述と簡単な数理モデルによる解釈を行う。

教科書・参考書等

数理社会学会監修の「社会学入門」が朝倉書店から出版されている。4、6、9章が参考になる。ただし、内容の割には高価な図書なので、特に推奨する訳ではない。

関連科目・履修の条件等

高等学校理系レベルの数学のセンスが望ましい。

成績評価

講義終了後にレポート提出。

担当教員の一言

私の研究テーマは、遺伝子と文化の共進化理論である。数理社会学第一を担当するのは初めてであり、受講者の皆さんと一緒に勉強して行きたい。

その他

連 絡 先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室

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