日本の大学について理解を深め、大学で学ぶ意義について多面的に考察するために必要な基礎的な情報を、歴史的なアプローチと比較文化的な手法を使って獲得し、検討する。特に、米国の大学との比較を通して、日本の大学が持つ特色を理解するとともに、21世紀の大学が持つべき機能について考察する。
「大学とは何か」、「大学で学ぶ意義とは何か」、「21世紀の大学はどうあるべきか」といった根源的な問いに対し、自らの意見を形成することを目的とする。
1. なぜ私は大学で学ぶのか
2. 大学の誕生と発展
3. 大学の危機と再生
4. 米国における「大学院」の発明
5. イギリスの大学
6. ヨーロッパの大学
7. 日本の大学1—帝国大学の誕生と発展—
8. 日本の大学2—東京工業大学の歴史—
9. 日本の大学3—戦後日本と大学改革—
10. アメリカの大学1—米国における大学の起源と発展—
12. アメリカの大学2—米国型大学の種類と特色—
13. 冷戦後の高等教育の変容—技術者教育の改革を例にしてー
14. グローバル時代における高等教育
15. 21世紀の大学とは何か
(受講者の関心や進捗状況により、講義の順序は変更する場合があります。)
吉見俊哉、『大学とは何か』(岩波新書、2011年)を教科書とします。参考文献などは、初回の講義で文献リストを配布し解説します。
討議のためのグループ分けなどがありますので、初回の授業に必ず出席してください。
・「各自が選んだ米国の大学」、「東京工業大学の歴史」、「大学で学ぶ意義」などに関するレポート
・グループ討議及びその結果の報告
・基本的な知識に関する確認試験
・クラス全体への貢献度
・出席
などを総合的に評価します。
本科目は、単に講義を通しての知識の伝達という形式ではなく、学生諸君自らが積極的に学ぶ能動的学習(active learning)の形式で運営します。自ら情報を集め、自分の頭で考え、その結果を整理して他者に伝えることを通して、「大学で学ぶ意義」について深く考察しようとする諸君の受講を歓迎します。