日本近代文学と科学との相互交流を学び、主体的に文学を考察してみよう。扱う作家は、夏目漱石、寺田寅彦を中心とする。科学的観点からの文学の分析、ならびに、小説内で取り上げられる科学の検証を通して、現代では問われることの少なくなった、文学とは何かという問題、および、文学から照らすなら科学の特質とは何かという問題を考える契機を与える。
洋の東西を問わず、古来、学問分野であり続けてきた“文を扱う学”から、文学と科学を考える。文学中には、諸種の学問、書籍、教養が散りばめられている。たとえば日本近代文学には、西洋の18・19世紀近代文学、東洋の古典籍、西洋近代科学、東洋古来の宗教的学問体系など、多様だ。書かれた時代は近代であっても、その内容は日本近代に囚われず、東西古今の時空を横断している。科学の知識を活かして、グローバルな教養を身に付けよう。
1 ガイダンス
2 夏目漱石『吾輩は猫である』(1)
3 夏目漱石『吾輩は猫である』(2)
4 夏目漱石『吾輩は猫である』(3)
5 夏目漱石『草枕』(1)
6 夏目漱石『草枕』(2)
7 夏目漱石『三四郎』(1)
8 夏目漱石『三四郎』(2)
9 夏目漱石『明暗』
10 寺田寅彦 評論(1)
11 寺田寅彦 評論(2)
12 寺田寅彦 随筆 (1)
13 寺田寅彦 随筆 (2)
14 寺田寅彦 小説
15 まとめ
プリントを配布する。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
毎回の感想文による平常点と期末レポートとによる。
連 絡 先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室