この講義は、I類を対象とし、波動と熱学を扱う。講義内容は以下に示されているが、項目によっては多少の取捨選択もある。波動および熱現象を究明する際の物理学の方法や概念を身に付け、それらを実際に応用できるようにする。
<熱学>
1 温度と熱
熱平衡状態、温度と温度計
物質の状態変化(熱膨張、気体の状態変化、相転移等)
熱(潜熱、熱の移動:熱伝導、熱放射、対流)
理想気体と分子運動(マクスウエルの速度分布)
2. 熱力学第1法則
力学的状態と熱力学的状態
内部エネルギー
気体への応用(気体の断熱変化)
3. 熱力学第2法則
不可逆過程、準静的状態変化
カルノーサイクル
熱機関の効率、熱力学絶対温度
エントロピー
熱力学第2法則の力学的定式化
4.熱力学第3法則
5. 平衡の条件と自由エネルギー
ヘルムホルツの自由エネルギー、ギブスの自由エネルギー
熱力学の応用(ジュール・トムソン効果、クラペイロン・クラウジウスの式)
熱力学特性関数と熱力学の関係式
<波動>
1.波動の基本的性質
・波動の数学的表現・波動の重ね合わせとフーリエ分解
・波動の一般的性質(反射、干渉、回折、うなり、ドップラー効果、衝撃波)
2.力学的な波
・弦の波(運動方程式から波動方程式へ、・波のエネルギー、・波の反射とインピーダンス、・弦の定在波)
・浅水波:津波
・音波(速さ、音波のエネルギー)
3. 光とは何か?
・屈折ースネルの法則
・光に干渉、回折はあるか?
ヤングの2スリットの実験、フラウンホッファー回折、回折格子
・光の速さ、波長
・光は、縦波か横波か?
偏光現象
演習問題が数多くのっているものとして、
大学演習 熱学・統計力学[修訂版] (裳華房) 久保亮五 他 編
がある。
「物理学とは何だろう」(上、下) 朝永振一郎 (岩波新書):熱学について書かれている。読むことを薦める。
なし
学期末試験と提出課題による。
熱学、波動は、物理現象を理解するのに大変重要な