政治哲学   Political Philosophy

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担当教員
宇佐美 誠  肥田野 登 
使用教室
月3-6(80年記念会議室2F)  
単位数
講義:1  演習:0  実験:0
講義コード
0892
シラバス更新日
2014年9月19日
講義資料更新日
2014年9月18日
学期
後期  /  推奨学期:4,6,8

講義概要

今日の国内外のさまざまな公共的問題について、みずからの思考を形作り深めてゆくためには、社会哲学的思考の道具立てを習得する必要がある。その道具立ての宝庫と言えるのが、20世紀最大の政治哲学者ジョン・ロールズの正義理論である。この講義では、彼の理論の概要を学習するとともに、それをきっかけに発展してきたいくつかの新たな研究領域を概観する。

この科目は討論型授業の形式で開講される。これは、各回の授業を講義セッションと質疑・討論セッションに分ける方式である。履修者は、十分な予習にもとづく積極的発言を求められる。

講義の目的

(1)今日の国内外の多様な公共的問題について、政治哲学の分析装置を活用しつつ自ら思考できるようになる。
(2)受講者全体および小規模チームにおける学術的討論を通じて、批判的思考法を身につけコミュニケーション力を高める。

講義計画

(1)概要:講義のねらいと進め方
(2)ロールズの学説Ⅰ:『正義論』の世界①
(3)ロールズの学説Ⅱ:『正義論』の世界②
(4)影響と論争Ⅰ:平等論争
(5)影響と論争Ⅱ:グローバルな正義
(6)影響と論争Ⅲ:世代間正義
(7)小テスト

教科書・参考書等

(1)教科書は使用しない。授業時に、予習用コピー資料の事前配付と一般的参考書の指示を行う。
(2)講義内容にとくに関係するロールズの著作の翻訳は、次の二点である。
○ジョン・ロールズ(田中成明・亀本洋・平井亮輔訳)『公正としての正義 再説』岩波書店、2004年。
○ジョン・ロールズ(川本隆史・福間聡・神島裕子訳)『正義論 改訂版』紀伊國屋書店、2010年。

関連科目・履修の条件等

あらかじめ履修しておくべき他科目はない。政治哲学の知識もとくに必要ない。

成績評価

(1)平常点
毎回の無遅刻出席を前提として、座席表を用いつつ、質疑・討論セッション等での発言を質・量の両面から逐一記録し、理解度・予習量・積極性を厳密に評価する。出席自体による加点はないが、欠席・遅刻は減点対象となる。
(2)小テスト(持込不可)

その他

(1) この科目は、進め方や成績評価法が他の多くの講義と大きく異なるので、履修希望者は初回授業(10月6日(月))でのガイダンスに必ず出席すること。

(2)各回の授業で学生の発言時間を十分に確保するため、履修者数制限が行われる。先着順で受講が許可されるので、履修希望者は、10月3日(金)までのできる限り早い時期に、世界文明センター事務室で受講申込みを行うこと。東京工業大学10名、東京外国語大学10名にそれぞれ達した段階で、受付けは締め切られる。また、3日までに10名に達せず、6日以降に10名を超えた場合には、3日までの申込者の受講資格を確定した上で、残席について抽選が行われる。

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