この講義では社会現象のさまざまな側面を数理モデルによって捉える手法を紹介する。具体的には,個人間の相互行為からどのようなマクロレベルの社会現象が帰結するのか,どのような基準で社会制度を評価すべきか,といった論点を,数学の基本的な性質やコンピュータによるシミュレーションを用いて扱う。ただし,多くの社会学の理論は自然言語によって展開されてきた。そこで本講義では,いくつかの代表的な古典的学説についても概説する。それを通じて,自然言語による理論と数理的な理論のそれぞれの意義について考えていきたい。
代表的な学説に関しては、その概要や問題意識を理解することを目的とする。数理モデルに関しては、解を導出したりプログラミングをするなど、実際に作業をしながら内容を理解することを目的としたい。
(1)学説(社会学の誕生、方法論的集合主義、方法論的個人主義、形式社会学、機能分析など)
(2)意思決定理論・ゲーム理論
(3)ネットワーク分析
(4)シミュレーション(協力の進化、文化の伝播など)
(5)集合的意思決定(陪審定理、判断集計など)
(6)社会現象や社会制度の評価(不平等指標、安定性など)
講義内で適宜紹介する。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
レポートや課題の提出などをもとに総合的に評価する。
講義時間外でもプログラミングの課題ができる環境を各自整えておくこと。
人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。
その他
連絡先:大岡山西9号館7階714号室(内線3776)