日本思想史   Intellectual History in Japan

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担当教員
畑中 健二 
使用教室
金1-2(H121)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0153
シラバス更新日
2014年4月2日
講義資料更新日
2014年3月18日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

 日本における「近代」というテーマで講義する。今年度はその揺籃期ともいえる18世紀の思潮から主に扱う。
 元禄15年12月14日深夜、旧赤穂藩士たちが吉良義央邸に乱入、亡き主君の仇として義央を殺害した。後に「忠臣蔵」の物語として有名になる事件であるが、その「義士」たちへの評価をめぐって、当時の学者たちの間では大論争が巻き起こった。いったい何が問題となったのか──など、いくつかの日本思想史上のトピックを取り上げて論ずる。なお、午前の開講にも関わらず、しんみり陰気な雰囲気で進むことになるのは例年通り。

講義の目的

 現在、多くの日本論や文化論の類が流通しているが、ステレオタイプの類型論や根拠薄弱な決めつけも少なくない(この講義もひょっとするとそうかもしれない)。ある言説が信頼に値するものか否か、歴史や多様な視点を参照しつつ吟味しうる批判的思考力が切実に求められるといえよう。
 この講義は、わずか半年間の開講ではあるが、
(1)日本の思想と歴史に関する知識・教養を深めること。
(2)資料を読解し、自分なりに考察を加え、説得力ある論を構築するという人文科学の基本的手法を知り、各自レポートで実践すること。
を通じ、現代において広く応用可能な批判的思考力を身につけるための機縁となることを目的とする。

講義計画

第1回 はじめに / 思想史の意義
第2回以降は、以下のトピックについて、必要に応じて時代を行きつ戻りつしながら順次取り上げる。赤穂事件と朱子学、アジアと日本、古学と国学、嘘とまごころ、密通と「もののあわれ」、「安心」を求めること、朱子学と究理、過程としての言語、歴史を見る立場
なお、下記の通りこの講義ではレポートを課すが、その書き方についても時間をとって解説する予定。

教科書・参考書等

毎回プリントを配布。参考文献は講義の中で随時紹介する。

関連科目・履修の条件等

この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。

成績評価

 二回のレポート提出を必須とし、その内容によって評価する。詳細は初回の授業で説明する。
 なお参考までに、過去二年の本講義登録者のうち合格者の割合は、42.6%(2012年度)、42.8%(2013年度)だった。

担当教員の一言

まず無いとは思うが、人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。

連絡先(メール、電話番号)

e-mail:hatter@valdes.titech.ac.jp

その他

推奨学期:3学期
連 絡 先:大岡山西9号館9階912号室(内線2374)

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