理論言語学   Theoretical Linguistics

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担当教員
黒滝 真理子 
使用教室
月5-6(H101)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0134
シラバス更新日
2014年10月6日
講義資料更新日
2014年9月18日
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

煩雑で混沌としたように捉えられる言語といった現象を理解するには、何らかの理論的枠組みが各言語において必要である。本講義では、物事の捉え方とことばの仕組みは密接に関係しているとみなす認知言語学(Cognitive Linguistics)の枠組みを通して、様々な日英語の言語現象について考えていく。その認知言語理論を基に文化と言語の関係を考察する力を養い、ことばに関する様々な現象への興味関心や洞察力を深める。

講義の目的

文法と意味のメカニズムを明らかにするために、いかにして認知的作用が言語現象に反映されているかを考えながら、認知言語学の基本概念を体系的に身につける。その認知言語学が日英語の文法研究にどのような洞察を与えてくれるかを理解することで、言語の本質と働きに関わる考察を深める力を養う。さらに、専門的な文献を批判的に読み、書評的能力を高め、理数系論文への応用の仕方を体得していく。

講義計画

1.理論言語学とは何か。認知言語学とは何か。
2.言語理論の歴史における認知言語学の位置付け
3.カテゴリー化
4.プロトタイプ
5.スキーマ
6.認知文法と構文
7.意味拡張の仕組みと多義性
8.認知能力としてのメタファーとメトニミー
9.ことばの意味変化
10.文法化と主体化
11.日英語対照研究
12.事態把握
13. 認知言語学からみた「英語らしさ」「日本語らしさ」
14.認知言語学と文化学
15.最終試験

教科書・参考書等

(主教材)吉村公宏『はじめての認知言語学』研究社2004
(参考図書)河上誓作『認知言語学の基礎』研究社1996
       野村益寛『ファンダメンタル認知言語学』ひつじ書房2014 
       辻幸夫編『新編 認知言語学キーワード事典』研究社2013
 その他、適宜、資料配布や参考文献紹介を行う。

関連科目・履修の条件等

本科目の履修推奨学年は学部2年生なので、履修優先となるが、
人数に余裕がある場合は、他学年でも言語に関心のある人なら履修可能。

成績評価

出席と授業への取り組み(40%程度)、課題発表と試験など(60%程度)を総合的に判断して評価する。

担当教員の一言

常に当然のように使っていながら実は理解不十分なことばというものの語りは卒業して、その次の段階、すなわち、様々な言語現象を説明するための知識体系や思考の基盤を追究していこう。そして、日常の言語現象について、その中に潜むことばの不思議を科学的思考で見出し、その知的発見の興奮を共有しよう。テキストは予め熟読し疑問点を明確にした上で授業に臨むこと。その先行知識をもとにプリント教材も併用し、授業を進めていく。

その他

連絡先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室

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