「西洋」「近代」思想が、現代社会に与える影響は,宗教,政治,経済,科学技術等々の多方面において無視できない多大なものがある。「思想」とは、たんに観念的、非現実的なものではなく、われわれの日常生活において実質的力をもち、端的に「いかに生きるべきか」という指針を形成するものである。
本講義では、「西洋」「思想」とは、「歴史」とは何か、という大前提を問うことから始め、古代ギリシャから現代思想にいたるまでを概観する。その上で、とくに「近代」に着目し、「科学」と「自由」を主軸に、「西洋思想」の本質およびその問題点を探っていく。最終的に、先人たちの思想と現代社会に生きるわれわれのそれとの比較および前者から後者への影響について考えながら、われわれが直面する応用倫理の諸問題(生命倫理・医療倫理・環境問題・情報倫理等々)にも言及する。
本講義の目的は,時間的・空間的に遠い異国の思想を通覧するにとどまることなく,リアルタイムの社会問題(環境問題,先端医療技術倫理問題,経済問題等々)の根幹を押さえることにある。受講生が、そうした諸「問題」について、自分なりの意見や考えをもち、論述、展開できるようになることが最終目標である。
第1週 ガイダンス
第2週 §1 西洋思想とは (1)思想とは (2)西洋と東洋について
第3週 (3)思想「史」 ~歴史という概念について
第4週 §2 西洋思想史概観 (1) 西洋思想史の時代区分
第5週 (2) 中世から近代への三大革命
第6週 (3) 近代化に向けてのもう一つの「歴史物語」
第7週 (4) 近代と現代 ~「応用倫理」の諸問題へ ①
第8週 ②
第9週 §3科学的思考法とは ~「考える」ことを考える (1)論理的思考法
第10週 (2)科学的思考法
第11週 (3)哲学的思考法
第12週 §4 自由と責任の問題へ ~いかに生きるべきかを問いながら(1) 自由であるとはいかなることか
第13週 (2) 自由主義思想(liberalism) について
第14週 (3) 責任の概念 ~「言葉」の力 と 哲学
第15週 期末試験
必要な資料・レジュメは適宜配布する。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
2/3(期末試験を含め10回以上の出席)を評価対象とする。平常点(20%)、学期末試験(80%)の結果を総合して評価する。
出欠カードには、受講者のみなさんの質問、意見、批判等を記入してもらいます。それを反映しながら内容が編成されます。双方向型の授業を目指していますので、積極的な参加を求めます。
なお、人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席してください。
連 絡 先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室