科学概論第一   General Science I

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担当教員
梶 雅範 
使用教室
月3-4(W521)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0105
シラバス更新日
2014年3月18日
講義資料更新日
2014年7月21日
アクセス指標
学期
前期  /  推奨学期:1

講義概要

自然科学や技術の本質,その方法,その社会的機能などについて,科学の通史を通して講義する。第一では,主として科学の起源から19世紀ヨーロッパまでを扱う。

講義の目的

科学概論という講義は、哲学者の田辺元という人が東北帝国大学で始めたのが最初とされている。田辺は著書『科学概論』(1918年)の中で、科学概論とはフィロソフィ・オブ・サイエンス、つまり科学の哲学(科学哲学という言い方もある)のことだと書いている。現代科学が獲得してきた自然観やその方法を総合的に考えてみること、これが科学概論の目的の一つである。この講義のもう一つの目的は、科学を社会の中で考えてみることである。これは、科学が生み出した有用な物質が時として環境を破壊したり、また、善意で出発した研究の成果が戦争に利用されるというような、現代科学をめぐる世界の状況を考える際に、どうしても必要な見方である。このような科学の見方は、J・D・バナールの『科学の社会的機能』(1939年)で初めて取り上げられた。
この講義では、これらの二つの目的を念頭に置きながら、具体的には科学の歴史を紐解くことを通じて、科学の意味を考えていきたい。第1では、科学の起源から19世紀ヨーロッパにおける自然科学までを扱い、第2では、19世紀から現代までを論じ、とくに日本についてもとりあげる。

講義計画

1 科学のはじまり
2 古代ギリシアとアリストテレスによる集大成
3 文化の伝達としての翻訳:ヘレニズム、アラビア、12世紀ルネサンス
4 中世ヨーロッパでの大学という制度の成立
5 近代ヨーロッパと近代科学:コペルニクス
6 ガリレオのたどった道
7 ニュートンとその影響
8 現代の出発点としての産業革命
9 フランス革命と科学制度
10 職業的科学者の成立:リービヒと科学教育の成立
11 ダーウィンと進化論の反響
12 科学と産業:アンモニア合成
13 科学と戦争:毒ガスとハーバー

教科書・参考書等

特に使用しないが、必要に応じプリントを配布する。

関連科目・履修の条件等

この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。

成績評価

平常点、学期中の中間的なレポート提出、および最終レポート(今期は期末試験をおこなわず、最終レポートをその代わりとする)の提出による。

担当教員の一言

人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。

連絡先(メール、電話番号)

梶 雅範准教授 大岡山西9号館 4階 410号室(内線2270)
kaji.m.aa@m.titech.ac.jp

その他

推奨学期:1学期

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