化学第二 II-2   Chemistry II

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担当教員
長井 圭治  三治 敬信 
使用教室
木3-4(H135)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
1645
シラバス更新日
2013年10月3日
講義資料更新日
2013年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:2

講義概要

 この授業は、東工大2類(材料系)の1年次を対象とした理系基礎科目の化学第2である。東工大の材料系には、金属工学科、有機材料工学科、無機材料工学科の3学科があり、2類に所属した学生は2年次でいずれかの学科に進学する。各学科の研究内容等は学科のHP等を見ていただくとして、いずれの学科に進学しても必要かつ重要な知識である「量子化学」を扱う。量子化学というのは、量子力学という、前世紀の初めに生まれた学問体系を用いて物質の成り立ちを理解する学問である。もちろん、この授業だけで量子化学の全てを伝えることなど不可能で、この授業はあくまでも「量子化学入門」という位置づけになる。

講義の目的

 授業の内容は大きく3つに分かれる。まず最初は、なんで量子力学が必要かということと、量子力学の概念の理解だ。続いて、量子力学の基本的な方程式を具体的な例にあてはめて、どうなっているのかを調べる。そして、最後に水素原子に量子力学をあてはめて、原子の成り立ちを理解する。なお、2年次の物理化学において分子の成り立ちなどこの授業の続きを扱うことになる。また、学科により2年もしくは3年で、量子力学の知識を前提とした固体物理関連の授業が行われている。 

 というわけで、この授業は、「化学」という表題ではあるけれども高校のイメージで言うと「物理」に近いものになる。高校までの化学(特に合成など)が好きなひとには申しわけないが、化学を基礎から理解しようと思ったら避けて通れない道筋だと考えて欲しい。 
なお、2003年以前の授業ノートは
http://www.op.titech.ac.jp/lab/Take-Ishi/html/ki/
に掲載されているので合わせて参考にされたい。

講義計画

1. 8章―量子論:序論と原理 量子力学の起原
2. 8章―量子論:序論と原理 微視的な系の力学
3. 9章―量子論:手法と応用 量子力学の原理
4. 9章―量子論:手法と応用 並進運動
5. 9章―量子論:手法と応用 振動運動
6. 9章―量子論:手法と応用 回転運動
7. 9章―量子論:手法と応用 近似の方法
8. 10章―原子構造と原子スペクトル 水素型原子の構造とスペクトル
9. 10章―原子構造と原子スペクトル 多電子原子の構造
10. 10章―原子構造と原子スペクトル 複雑な原子のスペクトル
11. 11章―分子構造 ボルン−オッペンハイマー近似
12. 11章―分子構造 原子価結合法
13. 11章―分子構造 分子軌道法
14. 11章―分子構造 多原子分子系の分子オービタル
15. 試験

教科書・参考書等

P.W.Atkins, Julio de Paula (千原・中村訳)「物理化学(上)第8版」東京化学同人  8~11章
ATKINS' Physical Chemistry 8th edition, OXFORD (上の原著)
ATKINS' Physical Chemistry 9th edition, OXFORD (最新版だが日本語訳はない)

関連科目・履修の条件等

2類の1年次を対象とした授業ですが、それ以外の人の受講も拒否しません。いずれの場合も授業中の私語を慎み、集中して授業を受けることを履修の条件とします。

成績評価

4週目と11週目に予定されてい2回のレポートと期末試験を中心に行います。出席点は考慮しません。試験問題及び採点はクラス毎に独自に行いますが、合格者の平均点と得点の分散は両方のクラスで同じになるように調整します。

担当教員の一言

1.この授業の内容に関する質問を受け付ける時間(オフィスアワー)を設定します。その詳細については最初の授業時に案内します。
2.このコースは1年次の授業としては高いレベルです。予習・復習をきちんと行うとともにオフィスアワーを有効に利用して理解を深めて下さい。テストで十分な点を得られなかった学生の救済処置を行う予定はありません。

その他

 

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