化学熱力学を中心に、化学で用いられる方法や考え方を講義します。「化学第二」と銘打つ講義ですが、化学のみならず自然科学全般を理解する上で重要となる内容が含まれています。
半期の講義で熱力学の全容を扱うことは困難なため、「物質の状態と変化を普遍的に記述するための基礎」に焦点を絞って学習します。そして、物質の巨視的な状態変化、化学変化を熱力学と速度論の観点から理解し、考察できるようになることを目指します。
以下の内容を全15回の講義(中間試験1回を含む)で学習します。
1. 気体の分子運動論
2. 内部エネルギー、熱、仕事(熱力学の第一法則)
3. エンタルピーと熱化学
4. エントロピーと熱力学の第二法則
5. HelmholtzエネルギーとGibbsエネルギー
6. 純物質の物理的な変態と相平衡
7. 液体の化学ポテンシャル、束一的性質、活量
8. 化学平衡
9. 平衡電気化学の基礎
10. 反応速度論
講義内容の理解度を深めるため、毎回の講義で簡単な小テスト(クイズ)を実施します。
(教科書)
特に指定しない。
(参考書)
アトキンス物理化学(東京化学同人)
理工系基礎化学(講談社サイエンティフィク)
化学第一(量子化学の基礎)を履修していることが望ましいですが、未履修でも問題はありません。
中間試験と期末試験の結果、及び授業中に行う小テストの内容に基づいて評価します。
講義の前週に、講義資料をOCW-iにアップロードします。第2回講義からは、必ず各自でダウンロードして印刷したものを持参してください。当日の講義は、この資料を元にプロジェクターを使用して進めます。