よりよい社会を構想するために、何ができるか。イスラエルとパレスチナの分離壁に描かれた「グラフィティ」や、ホームレスのために開発された「乗り物」など、現代アートはアートならではの想像力とユーモアと直接行動によって、社会の諸問題にアプローチしている。本講義では、その他さまざまな事例に即して、芸術と社会の関係について考える。
自分の行動が社会を変える可能性を実感してほしい。本講義は、表向きの看板としては、芸術と社会の関係について理解する授業であるが、講師の本当の目論見は、芸術という枠を越えて、社会的な諸問題を扱うさまざまな方法を紹介することにある。芸術という枠にこだわらず、柔軟な発想力と発信力を磨き、創造的に生きるためのヒントを盗んでほしい。
第1回:イントロダクション
第2回:モニュメントの思想
第3回:パブリックアートの歴史(1)
第4回:パブリックアートの歴史(2)
第5回:戦争と美術(1)概説
第6回:戦争と美術(2)藤田嗣治
第7回:表現の自由と犯罪(1)大浦信行
第8回:表現の自由と犯罪(2)ハイレッド・センター
第9回:表現の自由と犯罪(3)模型千円札裁判
第10回:ストリートにおける表現(1)グラフィティ
第11回:ストリートにおける表現(2)集団的・匿名的表現
第12回:新しいモニュメント:クシュシトフ・ウディチコ
第13回:ワーク・イン・プログレス:川俣正
第14回:関係性のアート(1)概説
第15回:関係性のアート(2)リクリット・ティラバーニャ
そのつど資料を配布する。
金曜3・4限の「現代アート」とあわせて履修すると、より理解が深まる。この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
毎回授業の最後に小レポートを書いてもらう。その内容と期末テストで評価する。
初回の授業に必ず出席すること。
連絡先:大岡山西9号館9階913号室(内線3342)