人間は,持っている情報をお互いに伝え,解釈し,とり込み合いながら共存しているものである。情報社会と言われながらも,情報共有の前提が持てない不安定な現代のコンテクストにおいて,人はどのようにしてメッセージを受信・発信していくのか。
本講義は,「解釈」「とり込み」「翻訳」「操作」といった,コミュニケーションにおいて発生する行為に焦点をあて,それらのメカニズムについて考える。講義形式をとるが,学生によるグループワークやディスカッションも取り入れていく。
情報社会と言われる現代、人はどのようにして情報を選び、自分のものとし、またそれを他に向けて発信していくのか。それは長く複雑な意思決定の堆積である。そのプロセスを見ていくことで、そのコミュニティの持つ文化が見えてくる。
本講義は、その複雑さのためにブラックボックスとして扱われることの多い「情報テキストの解釈ととり込み」あるいは広い意味での「翻訳」といったコミュニケーション行為について言語学・哲学・心理学・サイエンスコミュニケーションなどさまざまな分野にかかわる理論を広く紹介しつつそれらのメカニズムについて考える。
講義形式をとるが、参加する学生によるグループワーク式のケーススタディも取り入れていく(情報テキスト分析)。
(予定)
1部 言語と文化のコミュニケーション
2部 コミュニケーションの裏表 - ソース文化とターゲット文化
3部 情報の解釈・とり込みと規範
4部 記号変換とサイエンスコミュニケーション
授業中に指定
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
出席状況・授業内のパフォーマンス・学期末レポート・その他の提出物などから総合的に判断する。
基本的には講義形式ですが学生が主体となって参加するグループワークもあり、またディスカッションの場も設けます。積極的な参加と発言を期待します。
なお、人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。
nohara.k.aa@m.titech.ac.jp