この授業では、「ジェンダー」を、「性差についての社会的・文化的な知と信念の体系」もしくは「《性のちがい》について皆が知っている(と信じている)事柄」と捉え、スタジオジブリの長編劇場用アニメーション作品を中心に、古典的な映像作品から実験作品までを幅広く取りあげ、近現代の映像文化において、「性のちがい」がどのように想像/創造され、定義され、あるいは改変されてきたかを考察していきます。
・ジェンダーと文化についての基礎的な考え方を学びます。
・英語圏の映画研究(フィルム・スタディーズ)、とりわけ映画におけるジェンダーの表象に分析の焦点を置いてきたフェミニスト映画批評・クィア映画批評の知見を参照しながら、映像作品の画面と物語を、「ジェンダー」という視点から分析する手法を学びます。
1.イントロダクション
2-3.物語映画におけるジェンダーの表象
4-5.「ボーイ・ミーツ・ガール」と「最後の瞬間の救出」
6-7.「戦闘美少女」としてのナウシカ
8-9.クシャナ、エボシ、ポニョ:《父》に逆らう娘たち
10-11.労働と家族
12-13.「古典的物語映画作家」としての宮崎駿
14.まとめ
随時授業の中で紹介し、あるいはプリントを配布する。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
授業への参加及び小課題(複数回)の提出状況(40%)と学期末試験(60%)