本講義では,社会学基礎論をもとにして,年齢・性・階級などによって分割されている社会状態,家族問題,技術と社会変動,都市化と生活の質など,日本社会の現実分析をまじえながら,具体的な社会現象を把握する応用論を学びます。
講義の目的
社会学基礎で学習した内容をもとに,年齢・性階級などによって分割される社会編成の状況,技術と社会変動,都市化と生活の質,家族と人口構成など,具体的な社会現象を把握する応用論について学習します。現実の社会は様々な要因が複雑に絡まりあっているため,どのような枠組みで全体を見渡せばよいか苦労することが多い。本講義では,社会的現実の理解の方法について学んでみる予定。
第1講 講義の概要(講義全体の見取図・学習内容)第2講 年齢構成と社会Ⅰ(年齢の分類・子供期・青年期)
第3講 年齢構成と社会 II (ヤング・アダルト期と中年期・老年と死)
第4講 ジェンダーI (性とジェンダー・アイデンティティ)
第5講 ジェンダーII (性的分業・女性の自立)
第6講 社会階級と階層I (階層と階級・不平等・貧困)
第7講 社会階級と階層II (地位形成・社会移動・階層構造の変動)
第8講 家族と人口構成I (親族と核家族・近代化と家族・変動する家族)
第9講 家族と人口構成II (人口構造・出生力と死亡・人口移動)
第10講 都市と生活の質I (都市化とアーバニズム・第三世界の都市問題)
第11講 都市と生活の質II (メトロポリス・都市計画と再開発)
第12講 テクノロジーと社会変動Ⅰ(近代化・労働と機械化)
第13講 テクノロジーと社会変動II (生態学的危機・地球環境問題)
第14講 全体のまとめと質疑応答
第15講 試験
参考書:レオナード・ブルーム他『社会学』ハーベスト社,長谷川公一他著『社会学』有斐閣。
推奨学期に該当する学生のみ受講可能。
社会学基礎を受講し、単位を取得した学生のみ受講可能。
この科目は,平成18年度以降の入学生には文系科目,17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定。
中間に簡単なレポート提出および期末にレポート提出。
社会状況はいま,従来の価値制度が弛緩するだけでなく液状化しつつあると言えないだろうか。人並み指向とさげすまれはしたが平等社会を大衆的規模で実現した日本の階層社会の格差社会への転換,年金問題・少子高齢社会をはじめとして世代間不公平問題の浮上などなど,社会学の発想を用いて新たな価値制度を読み解くのに絶好の機会だと思われる。