近代文学   Japanese Modern Literature

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担当教員
井口 時男  井口 時男 
使用教室
金1-2(W934)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0125
シラバス更新日
2013年3月22日
講義資料更新日
2013年3月21日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

テーマは「戦後文学案内」。戦後初期、敗戦、占領時代の文学が中心になるが、いまだに「戦後」なのかもしれない現代までも見通す視点は確保しておく。戦争中、日本人は強力な「絆」に結ばれて死に向かった。その体験を踏まえて、戦後の文学は何をどう書いて来たのか。戦後を生きることの意味、倫理と非倫理、革命と終末論、伝統と反逆、彼らの「悪文」の意義、等々について考える。取りあげる作家は、坂口安吾、太宰治、椎名麟三、武田泰淳、三島由紀夫、安部公房、大江健三郎など。講義を中心に展開するが、いくつかの短編小説も実際に読む。

講義の目的

敗戦直後から10年間ほどの文学の動向、重要な作家の紹介、いくつかの作品の読解などを通じて、難解だと敬遠されがちな戦後文学への案内を試みる。

講義計画

1 ガイダンス
2 戦争と敗戦。開戦の詔勅、戦陣訓、終戦の詔勅、天皇の「人間宣言」
3 兵隊作家・火野葦平の戦後 「悲しき兵隊」
4 坂口安吾1 「堕落論」非倫理の倫理
5 坂口安吾2 「桜の森の満開の下」絶対の孤独と美とエロス
6 太宰治1 アイロニカルな戦中戦後
7 太宰治2 「トカトントン」虚無とアイロニー
8 第一次戦後派 椎名麟三「深夜の酒宴」野間宏「暗い絵」等 廃墟の悪文
9 武田泰淳「審判」「滅亡について」 アジアという倫理
10 三島由紀夫 終末論からの出発
11 大岡昇平『野火』 戦場の狂気と論理
12 安部公房「壁」 都市という荒野
13 大江健三郎「不意の唖」 占領とアメリカ2
14 大江健三郎「人間の羊」 占領とアメリカ3
15 締めくくり

教科書・参考書等

テキストはプリントを配布したり、何冊かの文庫本を指定したりする。必ず読んでくること。

関連科目・履修の条件等

この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。

成績評価

レポートを課す。なお、朝一番の授業だが、出席点をかなり加味する予定。

担当教員の一言

一回目の授業に必ず出席すること。履修人数調整をする場合がある。

その他

推奨学期:3学期
連 絡 先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室

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