この講義は、近現代の政治哲学上の主要学説を学ぶことを通じて、今日の公共的問題について自ら思考する能力を高めることを目的とする。2012年度には、ジョン・ロールズの正義理論の概要を修得するとともに、そのインパクトを受ける一方で批判も提起されることを通じて生成・発展してきたいくつかの研究領域を探索する。授業は対話型で双方向的に行われる。各回の授業は講義セッションと質疑・討論セッションからなり、履修者は十分な予習にもとづく積極的発言を求められる。
この講義の目的は、近現代の政治哲学上の主要学説を学ぶことを通じて、今日の公共的問題について自ら思考する能力を高めることにある。
(1)概要:講義のねらいと進め方
(2)ロールズの学説Ⅰ:『正義論』の世界①
(3)ロールズの学説Ⅱ:『正義論』の世界②
(4)ロールズの学説Ⅲ:『政治的リベラリズム』とその解釈
(5)影響と論争Ⅰ:グローバルな正義
(6)影響と論争Ⅱ:世代間正義とジェンダー
(7)試験
(1)教科書は使用しない。授業時に、予習用コピー資料の配付と一般的参考書の指示を行う。
(2)講義内容に特に関係するロールズの著作の翻訳は、次の二点である。
ジョン・ロールズ(田中成明・亀本洋・平井亮輔訳)『公正としての正義 再説』岩波書店、2004年。
ジョン・ロールズ(川本隆史・福間聡・神島裕子訳)『正義論 改訂版』紀伊國屋書店、2010年。
(1)社会理工学研究科社会工学専攻科目「法哲学」を過去に履修した者は、2012年度には本科目を履修できない。
(2)あらかじめ履修しておくべき他科目はなく、また政治哲学の知識もとくに必要ない。
(3)この科目は、他の多くの講義と進め方や成績評価法が大きく異なるので、履修希望者は、初回ガイダンス(10月9日 5-6限 合同ガイダンス)に必ず出席すること。
(1)平常点
毎回の無遅刻出席を前提として、座席表を用いつつ、質疑・討論セッション等での発言を質・量の両面から逐一記録し、理解度・予習量・積極性を厳密に評価する。出席自体による加点はないが、欠席・遅刻は減点対象となる。
(2)試験(持込不可)
研究室:大岡山西9号館5階 530/531号室 電子メールアドレス:usami_at_soc.titech.ac.jp(_at_を@におきかえて下さい。)
金曜日 16:40-17:40 ※他の曜日・時間での来室を希望する院生・学生は、必ず事前に電子メールで予約すること。
連絡先:世界文明センター(内線3892)