中世のコスモロジー   Medieval Cosmology

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担当教員
久木田 直江  久木田 直江 
使用教室
月3-4(S221)  
単位数
講義:1  演習:0  実験:0
講義コード
0890
シラバス更新日
2012年9月25日
講義資料更新日
2012年9月21日
学期
後期  /  推奨学期:4,6,8

講義概要

中世の春と呼ばれる12世紀に活躍した神学者シャルトルのベルナルドゥスが同時代に生きた人びとを「巨人の肩の上にのった小人(‘dwarfs perched on the shoulders of giants’)」とたとえたように、中世ヨーロッパの文化はユダヤ・キリスト教のみならず、ギリシャ・ローマの地中海文化、7世紀初頭に始まるイスラム文化、そして、ケルト、北方ゲルマンの遺産に負っている。この授業では、中世のコスモロジーという切り口で、12世紀から中世末の文化に焦点をあて、ラテン・ヨーロッパがいかに地中海文化を継承し、ユダヤ・キリスト教文化を浸透させ、イスラム文化を吸収したか考察し、西洋中世の世界観、心性に迫る。一次資料として、文字資料に加え多数の視覚的資料を用いる。

講義の目的

中世のコスモロジーという切り口で、さまざまな様相を呈する西洋中世の本質を文化史的、社会史的視点からとらえるための窓を開くことを目的とする。

講義計画

1 世界地図(mappae mundi)のコスモロジー
   古代から引き継いだ世界地図はキリスト教の世界観のなかで再構築され、イスラム教徒等の異教徒を含めた全宇宙を説明し尽くす地図となった。この世界地図について解説し、中世的心性との連関について検討する。
2  同上
3 大聖堂のコスモロジー
   ロマネスクの教会堂から説き起こし、ゴシックの大聖堂に見られる中世の知的体系とスコラ学的心性について解説する。同時に、ゴシックのコスモロジーに現れる異界という観点から中世のイマジネーションについて考える。
4  同上
5 象徴化されたコスモロジー
主に、中世の図像を象徴と儀礼の観点から読み解く。(スタイル解釈とは異なる。)また、文化史的、社会史的視点から身体論、ジェンダー論にも目配りし、最近の西洋中世研究の成果も紹介する。
6  同上
7  総括とdiscussion

教科書・参考書等

日本語か英語の資料を用意します。(英語力は特に問いませんが、英語の実力つけたい学生はこの機会を活用するとよいです。)
参考資料を授業時に適宜紹介します。

関連科目・履修の条件等

人数制限をする場合があるので、一回目の授業(10月9日 3-4限 合同ガイダンス)に必ず出席すること。

成績評価

論述式のテストを実施します。受講状況を参考にします。

その他

連絡先:世界文明センター(内線3892)

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