西洋芸術音楽とキリスト教は密接にかかわり合っています。本講義では、中世から古典派前期までの音楽を通して、はじめは宗教儀式の一部であった教会音楽がどのような変容を遂げ、教会の外へと影響を及ぼしていったのかを考察します。講義内では、取り上げる音楽に関係する聖書の一節や宗教画なども同時にみていきます。
西洋芸術音楽とキリスト教の関係を、社会的・宗教的・政治的背景から考察することを通してその変遷を知るとともに、それらが現在の我々の生活にどのように影響を及ぼしているのかを意識出来るようになる。
【第1回】ガイダンス:講義の概要説明
【第2回】ミサとグレゴリオ聖歌
【第3回】多声音楽の勃興:ギョーム・ド・マショー《ノートル・ダムのミサ曲》
【第4回】教会音楽におけるルネサンス精神:ギョーム・デュファイ《ミサ曲「ス・ラ・ファセ・パル」》
【第5回】教会音楽の発展と葛藤:ジョスカン・デ・プレ《ミサ曲「パンジェ・リングワ」》、パレストリーナ《教皇マルチェスのミサ曲》
【第6回】音楽におけるトポス「音楽の悪魔」:J.S.バッハ、モーツァルト、ワーグナー他
【第7回】マリア信仰I:ペルゴレージ《スターバト・マーテル》
【第8回】マリア信仰II:モンテヴェルディ《聖母マリアの夕べの祈り》
【第9回】ギリシャ神話とキリスト教:モンテヴェルディ《オルフェオ》
【第10回】プロテスタントの音楽:J.S.バッハ《カンタータ第4番》
【第11回】受難曲I:J.S.バッハ《マタイ受難曲》第1部
【第12回】受難曲II:J.S.バッハ《マタイ受難曲》第2部
【第13回】欽定訳聖書:ヘンデル《メサイア》
【第14回】「天地創造」:ハイドン《天地創造》
【第15回】まとめ
教科書:なし。毎回プリントを配布します。
参考書:とくに指定はしませんが、旧約および新約聖書に目を通しておいた方が良いでしょう。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
出席レポート50%+最終レポート50%で評価します。出席レポートは提出の有無のみではなく、その内容も評価の対象となることを留意しておいてください。欠席が全講義数の1/3を超えた場合、最終レポートを提出することは出来ません。なお、出席レポートの代筆その他不正が判明した場合、厳正に対処します。
受講生の理解度により、内容や進度に多少の変化が生じる場合があります。
必ずしも五線譜が読める必要はありませんが、講義では楽譜も取り扱うことを留意しておいてください。また、講義開始から15分を過ぎての入退室、講義中の私語は禁止します。
なお、人数制限をする場合があるので、一回目の授業には必ず出席してください。
推奨学期:1学期
連 絡 先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室