環境安全論 II   Environment and Risk Management

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担当教員
工藤 史貴  日野出 洋文  吉田 尚弘  錦澤 滋雄  阿部 直也  三宅 淳巳  坂井 悦郎  谷岡 明彦  小松 隆之  関口 秀俊  高橋 実  杉山 千歳 
使用教室
木1-2(H111)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0601
シラバス更新日
2011年4月5日
講義資料更新日
2011年3月23日
学期
前期  /  推奨学期:1

講義概要

これからの科学技術者は,技術と生活環境の安全性の問題について,常に配慮していかなければならない。科学と技術の視点から地球環境問題を理解し,環境と安全性に関する基礎的な知識を教授するとともに,科学技術者としての必要な客観的事実の把握方法と,論理的思考の能力の向上,そして,その根幹となる技術者としての倫理観が備わるよう養成をはかる。

講義の目的

現代社会では環境問題に関する話題が多く取り上げられており、世の中の関心の高さが伺われる。しかしながら現在の情報社会においては、根拠に乏しい情緒的な情報が先走っている感が否めない。従って、世論を左右しうる科学技術者を目指す諸君は、地球環境問題を客観的かつ論理的に解釈して、持続可能な社会となるために、正確な情報を発信していかなければならない。本講義の特徴は、環境問題を考える上で欠かせない“安全”というキーワードを講義名に取り入れたことにある。絶対の安全は世の中に存在せず、様々な環境対策においても、許容限界の程度を考えざるを得ないからである。従って本講義では、科学と技術の視点から地球環境問題を理解し、環境と安全に関する基礎的な知識を習得するとともに、科学技術者として必要な客観的事実の把握方法と論理的思考の能力の向上、そして、その根幹となる技術者としての倫理観を備えることを目的とする。

講義計画

1. 環境安全論序論:本講義の全体構想、環境と安全、環境問題と公害問題、技術者倫理:工藤
2. 地球環境問題:日野出
3. 大気と地球環境:吉田
4. 化学物質と健康影響:杉山
5. 環境アセスメント:錦澤
6. PRTR、環境政策、環境経済:阿部
7. 化学物質のリスク評価と管理:三宅
8. 廃棄物処理と環境安全:工藤
9. 廃棄物とリサイクル:坂井
10. 有機高分子材料と環境安全:谷岡
11. 環境保全、環境触媒:小松
12. グリーンケミストリーとLCA 工藤
13. エネルギーと環境安全:関口
14. 原子力と環境安全:高橋
15. 持続可能な社会となるために(環境安全論まとめ):工藤

教科書・参考書等

参考書:環境安全科学入門(講談社サイエンティフィク)、環境安全論(コロナ社)

関連科目・履修の条件等

文系科目・総合科目における環境関係講義
1年次:現代科学技術と社会、科学者とは何か、科学概論第一第二、技術史第一第二、科学方法論
2年次:生命倫理学、科学技術者倫理、環境・社会論、科学史第一第二、日本技術史、現代技術史
3年次(プラス総合科目):
現代科学・技術と安全性、地球温暖化と低炭素社会、生命の科学と社会、環境計画と社会システム
有害化学物質と現在社会、電気技術史と技術開発、技術経営入門、科学・技術・社会
4年次:科学の社会史、大学の歴史と社会、日本科学史
文系発展ゼミ:歴史における科学と社会、科学・技術・社会論研究
さらに二年次以降では、安全の化学、地球科学、地球環境科学、化学産業と技術革新論、建築環境、都市計画概論、人間環境の計画史、環境計画と評価、地球環境と環境政策、開発システム特別講義、水理学原理、水文・河川工学、海岸・海洋工学、水環境計画、生態環境工学、などが各学科で環境関連の講義として開設されている。

成績評価

出席点と期末試験で採点する。

担当教員の一言

本講義はテーマごとに各専門の教員が講義にあたるが、(1) 地球環境問題提起、(2) 環境問題に対する政策、(3) 環境問題に対する具体的な対策、と大きく三本立てにして、複雑になりがちな環境問題に関する話題を理解しやすくなるように工夫している。観点が異なり相反する考え方も出てくるかもしれないが、環境と安全に対して、科学技術者として求められるべき倫理観をしっかりと習得されることを望む。

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