本授業では、様々なメディアに媒介されたコミュニケーションを、情報伝達としてではなく、「実践」と捉える視点から概説し、具体的な研究を取り上げながら、理論的枠組みを紹介する。さらには、実際にケータイやインターネットを用いて、メディア実践を体験しながら、それを捉える方法も紹介する。
近年、モノづくりやデザインの分野では、ユーザーの立場に立って考えることが重要だとされている。ユーザーの立場に立つとは、機能や性能を追求するだけではなく、ユーザーが実際にその道具を日常生活の中でいかに使っているのかを踏まえて考えることを意味している。生活の中での使い方を見た場合、もしかしたら機能を制限することや性能を落とすことが使いやすさにつながるかもしれない。あるいはまた、製作者が想定しなかったような独自の使い方をユーザーたちが工夫しているかもしれない。それらのことを明らかにするためには、ユーザーと同じ目線にたち、自らもユーザーとなって日常生活の中で道具を使い、実践しながら考えることも必要になってくる。このように,本授業ではメディア実践という新しいメディア観に基づく考え方を理解した上で、最終的には自分で実践しながらその中で発見、解決、創造するための理論的枠組みと方法を習得することを目的とする。
1 オリエンテーション及びイントロダクション(メディアとは何か)
第一部 基礎
2 サルから人間へ~進化におけるメディア誕生
3 発達とメディア1~子どもの独り言
4 発達とメディア2~大人の独り言
5 メディア観の変容1~従来のメディア観
6 メディア観の変容2~新しいメディア観
第二部 メディア実践の理論と研究
7 CSCW
8 状況的行為
9 分散的認知
10 ビデオ視聴
第三部 メディア実践を体験する
11 メディア実践の研究方法
12 調査
13 課題作業
14 課題作業
15 まとめ(課題によっては発表会を行う)
※第三部の調査方法、提出課題、11~15の進め方は受講者数に応じて変更する。
必要に応じて資料を配布する。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
レポートもしくは課題の成績に基づく。
人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。できればカメラ付ケータイ、ノートパソコンを有していることが望ましい。
推奨学期:1学期
連 絡 先:大岡山西9号館8階805号室(内線2262)