本講義では、一国全体の経済を分析の対象とする「マクロ経済学」を講義し、一国全体の経済がどのように決まるのか、そこで生じる失業やインフレーション・デフレーションなどの経済問題に対して、政府・中央銀行が行う財政政策や金融政策はどのような役割を果たすのか、ということについて解説します。また、「マクロ経済学」においては、マクロ経済をどのような立場から見るのかということによって、生じている経済問題の原因やとられるべき経済政策について、しばしば論争が行われており、どうしてそのような論争が行われるのかという点についても、説明します。
GDP、株・土地の値段、失業やインフレーション・デフレーションがどのように決まるのか、経済政策の役割はどのようなものなのか、など、この講義で取り上げる問題は、すべて我々の現実の生活に大きく影響してくる問題です。ですから、この講義内容を理解することを通じて、90年代以降の日本の長期不況やサブプライム問題以降の世界金融危機など、我々が直面している現実の経済の諸問題について、自ら考察し、分析できるようになることを目指します。
1.イントロダクション
2.国民経済計算
3.財市場(消費、貯蓄、投資など)
4.資産市場(株価・地価、貨幣など)
5.IS=LMモデル(GDPの決定、財政政策、金融政策)
6.古典派理論
7.失業とインフレーション・デフレーション
8.景気循環と経済成長
特定のテキストは使わない(資料を配布する予定)。
特定の教科書は指定せず、必要に応じて資料を配布する予定です。参考書としては、以下をあげておきますので、必要に応じて、自分にあったものを選び、参照してもらえればと思います。
参考書:吉川 洋 『マクロ経済学』、岩波書店、2009年。
福田 慎一・照山 博司『マクロ経済学入門』有斐閣、2005年。
マンキュー『マンキューマクロ経済学1』東洋経済新報社、2003年。同『マンキューマクロ経済学2』東洋経済新報社、2004年。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
学期末試験に、出席、課題の提出などの平常点を加味して評価します。詳細については、一回目の授業で説明します。
人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。
連 絡 先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室