第3類,6類の一年生を対象に,風・地震などの自然現象のしくみならびにそれによって引き起こされる自然災害を,最新の研究成果を交えて平易に解説する.講義はそれぞれの専門の2教員が分担し,以下の視点で考えてみたい.なお,本講義では高校での地学の履修は前提としない.
はじめに,地球を取り巻く大気について考える.とくに,人間社会と身近な地表近傍の大気構造を把握し,弱風がもたらす大気汚染などの環境問題および強風に対する構造物被害,都市の脆弱性,さらには地球規模の環境を理解する.
続いて,地球を物理的側面から考える.とくに,地震波でみる地球内部構造,地震の発生メカニズム,建物に被害を与えるような強い揺れなど,地震と社会の接点について解説する.
風・地震などの自然現象の物理的なしくみを理解し,それによって引き起こされる自然災害について,人間社会との関わりに基づきその実態を把握し,低減方法を模索する.まずは,大気を流れ現象として捉え,人間社会と身近な地表近傍の大気構造を把握し,大気汚染などの環境問題および強風に対する構造物被害,都市の脆弱性,さらには地球規模の環境を考察する.続いて,地球を固体の物理的側面から考える.とくに,地震波でみる地球内部構造,地震の発生メカニズム,建物に被害を与えるような強い揺れなど,地震と社会の接点について解説する.
第 1回 4月 8日 地球の大気と環境問題(田村)
第 2回 4月16日 大気境界層と風(田村)
第 3回 4月23日 大気の熱輸送と環境(田村)
第 4回 5月 6日 大気拡散と環境(田村)
第 5回 5月13日 地球の内部構造(山中)
第 6回 5月20日 地球の運動と
地震の発生メカニズム(山中)
第 7回 5月27日 地震と振動・波動(山中)
第 8回 6月 3日 地震の揺れの予測(山中)
第 9回 6月10日 地震による被害(山中)
第10回 6月17日 地震と社会(山中)
6月24日 予備日
7月 1日 予備日
第11回 7月 8日 強風と都市・構造物(田村)
第12回 7月15日 強風・突風災害(田村)
講義時に参考文献等を示す.
特別の条件は設けていない.
レポートの提出による(2回).詳細は講義時に説明する.
本授業は,田村哲郎教授, 山中浩明准教授が分担して担当するので,個別の講義内容については,担当教員に照会のこと.
なお,本講義を受講する場合は遅刻しないようにすること.