芸術言語論   Theory of Art Language

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担当教員
吉本 隆明  田中 理恵子 
使用教室
木9-10(W931)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0859
シラバス更新日
2010年9月27日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:2,4,6,8

講義概要

本講義は、詩人・評論家の吉本隆明特任教授が自著および現代詩について語り下ろした「芸術言語論」講義ビデオを上映し、田中がその内容の注解を行う。文芸評論やコミュニケーションの道具としての言語の様態とは一線を画した、「言語の芸術的価値」とはいかなるものであるのか。このテーマを中心に、若い世代の現代詩作品についての吉本氏の見解を交えながら、芸術言語表現をめぐる今日的意義を検討する。

講義の目的

 詩歌をはじめとした日本語の芸術的言語表現とは何か。それは今日いかなる様態をもつのか。本講義は、吉本隆明特任教授の「芸術言語論」を軸に、この問題を検討する。『共同幻想論』『言語にとって美とは何か』などの著作を読解するため必要な古典文芸作品についての基礎教養を身につけると同時に、最新の現代詩を読解、吉本隆明思想と今日のポストモダン状況を比較検討しつつ、日本語表現の現在を、経済社会的・美学的視座の双方より再考する。

講義計画

1. ガイダンス-芸術言語論とは何か-
2. 言語の芸術的価値と現代性-ゼロ年代詩と「無」―
3. 日本語表現の美学的再考-表現転移論、文体論を軸に-
4. 思想と芸術の位相
5. 言語の芸術的価値と文芸評論
6. 口語自由詩成立の背景
7. 詩歌技法と「感性の秩序」の現在
8. 自然哲学と芸術言語
9. 共同幻想論のゆくえ
10.日本の神話と歌謡・民謡・俗謡
11.現代詩表現に見る「美学」と「政治」
12.吉本隆明とポストモダン
13.総論-吉本隆明の詩と思索の「現在」-

教科書・参考書等

・吉本隆明『日本語のゆくえ』(光文社)にビデオ収録講義の前内容が所収されている。より詳細に学習したい者には一読を薦める。
・他に参考文献として、吉本隆明『定本 言語にとって美とは何か』Ⅰ、Ⅱ(角川ソフィア文庫)、『改訂新版 共同幻想論』(角川文庫)。

関連科目・履修の条件等

人数制限をすることがあるので、1回目の授業に必ず出席すること。

成績評価

レポート70%、授業への積極的参加やリアクションペーパーの提出など平常点30%で評価する。

担当教員の一言

日本を代表する思想家・吉本隆明氏が、最新の現代詩に触れて論じたことがらについて、ともに検討しましょう。

その他

連絡先:世界文明センター(内線3892)

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