<日本文化の世界的可能性>
浮世絵が19世紀ヨーロッパ美術に大きな影響を与え、印象派絵画の美学成立にかかわった例に代表されるように、日本文化には世界的に通用するようなさまざまな可能性が潜在している。それらの要素を、浮世絵、茶の湯、工芸、俳句、漫画などの具体例に即して再確認することにより、日本文化のポテンシャリティを考えてみたい。昨年度までの「日本文化持論」を受講した諸君の再訪も歓迎する。
グローバル化していく世界において真の意味で国際人たるためには、自分が生まれでてきた文化の特質、それが他文化にどう寄与することができるかを自覚し、語り得ることが必要である。そのきっかけを提示したい。
1 イントロダクションー授業のねらいと概要の説明
2,3,4 十九世紀日本趣味と近現代芸術の革新ー浮世絵と印象派美学、俳句と現代詩の誕生
5,6 『茶の本』の哲学と西欧ー象徴詩、ラファエロ前派、民芸
7 『「いき」の構造』と世紀末デカダンス、実存主義
8 三島由紀夫の自死とアンドレマルロー
9 レヴィ・ストロース<野生の思考>と日本文化
10 ロラン・バルト<脱構築>と俳句
11、12 マンガ、アニメ、ゲームと現代文化
13 まとめ
プリントを用意する。
参考書としては、大久保喬樹『見出された「日本」』(平凡社)、『日本文化論の系譜』(中公新書)、『日本文化論の名著入門』(角川学芸出版)。
人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。
レポート(4000字程度)の提出と出席状況を加味して評価する。
連絡先:世界文明センター(内線3892)