環境・社会論   The Theory of Environmental Protection

文字サイズ 

担当教員
伊瀬 洋昭  歌川 学 
使用教室
金1-2(W935)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0122
シラバス更新日
2010年9月21日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

私たちが直面しているさまざまな環境問題について,社会的側面から整理・分析し,受講生にとって考えるべき論点・課題がより明確になる,そのことを目指して講義をすすめる。環境問題などの「現代的課題」に対しては,安易な結論に安住して思考停止状態になることを避け,より本質的な課題について検討し続けていくことこそが,重要だと考えるからである。
社会的側面から見たとき環境問題には,局所的なものにも地球規模のものにも共通する面を見出すことができるし,薬害や一般に人間の健康の問題,技術の安全性と事故の問題,資源問題やゴミ問題,自然災害を防ぐ問題などと密接に関連する面も見出すことができる。そのような連関を視野に入れながら,いくつかの歴史上の事例を題材としてとり上げて検討を加える。

講義の目的

私たちの社会が直面している地域や地球規模での様々な環境問題を社会的関係において分析し、その問題解決へ向けての取り組みや現状を論ずる。受講生が今後様々な分野で「永続可能な社会」の実現を推進する「環境負荷の少ない社会システム変革の主体者」となるための基本的な考え方や実践的知識について、具体的な事例を通じて修得することを目的とする。

講義計画

1 ガイダンス (歌川)  
 環境・社会論の進め方及びアンケート
2 環境と技術者倫理(伊瀬)  
 技術者・研究者の社会的責任と倫理について環境問題を事例にして考える 
3 企業活動と環境(伊瀬)
 企業コンプライアンスと企業活動における環境対応を考える
4 環境と健康影響(伊瀬)
 微小粒子や騒音を例に環境と健康影響への配慮とはなにかを考える
5 環境リスクと予防原則(伊瀬)
 環境リスクをめぐる論争を紹介し予防原則について考える
6 環境アセスメントと代替案(伊瀬)
 計画に環境配慮を組み入れ、社会的合意形成に役立てるための方策を考える
7 裁判や公害調停の役割 (伊瀬)
 公害・環境破壊のない社会へ変革するための裁判や公害調停、ステークホルダーの関与について考える
8 国際政治と環境(歌川) 
 80年代から、国際政治の中で環境問題が大きくクローズアップされて来た。
 国際的議論における環境、その条約化と、国内政策対応などについて考える。
9 気候変動1(現象、影響) (歌川)
 気候変動の現象と影響、必要な排出削減について科学レビューをもとに考える
10 気候変動2(排出実態、エネルギーの実態) (歌川)
 環境対策を考える上で気候変動対策を例に日本の温室効果ガスの排出実態、エネルギー消費の実態について考える。
11 気候変動3(排出増の原因) (歌川)
 日本の温室効果ガスの排出実態や特徴から、なぜ排出が増加しているのかを事例をもとに考える
12 気候変動4(対策) (歌川)
 環境対策を考える上で気候変動対策を例に、国全体の削減対策としてどんなものがあるかを考える。
13 気候変動5(政策) (歌川)
 削減を後押しする代表的な政策、論点などを考える。
14 気候変動6(温室効果ガス排出削減計画) 
 企業単位や自治体単位等で、排出管理をどのように行い、削減対策を優先順位をつけてどう進めるかを考える。

教科書・参考書等

教科書 
本間慎編著 新データガイド地球環境(2,900円 青木書店 ISBN978-4-250-20810-2)2008年6月刊

参考図書
気候ネットワーク編 「新版 よくわかる地球温暖化問題」(2,310円中央法規出版 ISBN978-4-8058-4860-9)

関連科目・履修の条件等

この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。

成績評価

原則として出席率50%以上、かつ2つの課題についてレポートを提出したものを成績評価の対象とする。

担当教員の一言

理系科目では手が届きにくい環境問題の核心部分に迫る内容を盛り込んだ講義にご期待下さい。後半では、気候変動対策を集中して取り上げます。
人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。

その他

推奨学期:4学期
連絡先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室

このページのトップへ