エスペラントの世界B   The World of Esperanto B

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担当教員
佐々木 照央 
使用教室
水5-6(W832)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0824
シラバス更新日
2009年9月30日
講義資料更新日
2009年9月28日
学期
後期  /  推奨学期:2,4,6,8

講義概要

19世紀末にロシア統治下のポーランド系ユダヤ人ザメンホフによって作られた世界共通語エスペラントを学び、外国語速習法を教える。前半の講義では2ヶ月間(8回)で文法の基礎、その後2ヶ月でアンデルセン童話を読む。同時に会話、作文の訓練もする。試験のために訓練されてきた英語と異なり、その足かせがない場合には極短期間で高度の水準に到達できることを体験させる。
後半の学期には受講者の意向も聴きながら、世界語の古典的文献、世界文学のエスペラント訳、現代のエスペラント文献などを使い、語学力(英語、日本語、その他)の向上をはかる。エスペラント語を通じて、ナショナリズムとインタナショナリズムの問題を考察させる。前半から継続して聴講することが望ましいが、後半の学期から初めて出席する者は初等文法を最初の一月間で学習しておくこと。教科書は30ページ以内なので、自学自習が可能である。

講義の目的

19世紀、帝政ロシア統治下のポーランド系ユダヤ人ザメンホフによって作られた世界共通語、エスペラントを習得する。わが国では二葉亭四迷が最初の教科書を『世界語』と題して1906年に出版した。現在、世界各地でエスペラントは根をおろし、アジア諸国でもエスペラントによる交流が行われている。とくに、中国ではエスペラント語の放送まであり、貴重な情報を発信している。またシェークスピア、ゲーテ、ドストエフスキイ、チェーホフ、魯迅等々、世界文学の古典の多くが質の高いエスペラント訳で読める。日本文学も松尾芭蕉、源氏物語、万葉集から宮沢賢治まで訳されつつある。それらの一部は講義中に紹介する。前期の講義の発展として、本講義では、まずエスペラント語の基礎を短期間で習得させ、聴講生の能力に応じて、童話、文学作品、論文の代表的なものを読む。現在、インタネットを通じて多くのエスペラント文献を読むことが可能になっている。また、中国、ロシア、日本などのエスペラント運動史を紹介しながら、ナショナリズムとインタナショナリズムの葛藤を考察させる。エスペラント語の文法は諸言語の基本文法でもあるので、それを習得すれば英語をはじめ、独、仏、露、西、伊その他インド・ヨーロッパ語の学習がより容易になる。教材としてエスペラントと並んで代表的な言語(英、独、仏、露、中、日など)の対訳を付したテキストを配布する。本講義では外国語を短期間で身につける実体験をさせ、外国語に対するコンプレックスを克服させることを目標としている。

講義計画

第1週から第3週
後期から聴講する学生たちのためにエスペラント語の基本、文字、発音、文法を復習する。エスペラント語による会話も訓練し、自己紹介ができることを目標とする。

第4週から第15週
アンデルセン童話を読む。『みにくいあひるの子』を予定している。しかし、講義の進展状況によって、他のさまざまな作品も使用する。

教科書・参考書等

講義中に配布する。辞書は出席人数に応じて生協に注文する。エスペラント語―日本語辞典、日本語―エスペラント語辞典、の両方を持つことが望ましい。

関連科目・履修の条件等

特になし。

成績評価

学期末の試験、及び出席による平常点。

担当教員の一言

英語、および諸外国語の学習をリフレッシュしたいと望む学生に最適である。英語嫌いの者には自分の語学能力の再発見のため、英語好きの者には更なる語学力の向上のため、このエスペラント講義は役に立つ。独、仏、伊、西、中、露の学習の助けにもなる。留学生にとっては、日本各地のエスペランチスト達との交流の手段となる。
人数制限をすることがあるので、1回目の授業に必ず出席すること。

その他

推奨学期:2,4,6,8 連絡先:世界文明センター(内線3892)

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