エスペラントの世界A   The World of Esperanto A

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担当教員
佐々木 照央 
使用教室
水5-6(W936)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0823
シラバス更新日
2009年7月30日
講義資料更新日
2009年7月30日
学期
前期  /  推奨学期:1,3,5,7

講義概要

19世紀末にロシア統治下のポーランド系ユダヤ人ザメンホフによって作られた世界共通語エスペラントを学び、外国語速習法を教える。前半の講義では2ヶ月間(8回)で文法の基礎、その後2ヶ月でアンデルセン童話を読む。同時に会話、作文の訓練もする。試験のために訓練されてきた英語と異なり、その足かせがない場合には極短期間で高度の水準に到達できることを体験させる。
 後半の学期には受講者の意向も聴きながら、世界語の古典的文献、世界文学のエスペラント訳、現代のエスペラント文献などを使い、語学力(英語、日本語、その他)の向上をはかる。エスペラント語を通じて、ナショナリズムとインタナショナリズムの問題を考察させる。前半から継続して聴講することが望ましいが、後半の学期から初めて出席する者は初等文法を最初の一月間で学習しておくこと。教科書は30ページ以内なので、自学自習が可能である。

講義の目的

 19世紀、帝政ロシア統治下のポーランド系ユダヤ人ザメンホフによって作られた世界共通語、エスペラントを習得する。現在、世界の多くの国々でエスペランチスト達が活躍しており、毎年世界大会が開催されている。中国、ポーランド、キューバ、ブラジルなどには放送まである。そして、世界の重要な古典の多くはエスペラント訳がある。今や、エスペラントは世界の情報を取得するための重要な手段となっている。さらに、中国、ロシア、ヨーロッパ、日本などのエスペラントの歴史は、激動の二十世紀における思想運動の見逃せない一ページである。例えば、中国の普通話とピンインの確立にはエスペランチスト達が関わったし、また多くの中国人留学生が日本でエスペラントを習得した。西欧ではファシズム、ロシア・東欧ではスターリン一国社会主義がエスペランチストを弾圧した。それにもかかわらず、各地でエスペラントによる著作、翻訳が豊富に蓄積されてきた。
 本講義では、まずエスペラント語の基礎を短期間で習得させ、アンデルセン童話の代表的なものを読む。インタネットのエスペラントサイトにより、世界各国の情報提供の実態を紹介する。現在、インタネットを通じて多くのエスペラント文献を読むことが可能になっている。並行して、中国、ロシア、日本などのエスペラント運動史を紹介する。また、エスペラント語の文法は諸言語の基本文法でもあるので、それを習得すれば英語をはじめ、独、仏、露、西、伊その他インド・ヨーロッパ語の学習がより容易になる。本講義の教材ではエスペラントと並んで代表的な言語(英、独、仏、露、中、日など)の対訳を付したテキストを配布する。

講義計画

第1週から第9週
エスペラント語の基本文法。文字、発音、文法を教える。講義8回程度で、文法のほとんど全体を習得させ、辞書を用いればあらゆる文章が解読可能となる。エスペラント語による会話も訓練し、自己紹介ができることを目標とする。

第10週から第15週
アンデルセン童話を読む。『裸の王様』を予定している。しかし、状況によって、他の作品も使用する。

教科書・参考書等

講義中に配布する。辞書は出席人数に応じて生協に注文する。エスペラント語―日本語辞典、日本語―エスペラント語辞典、の両方を持つことが望ましい。

関連科目・履修の条件等

Aを履修した学生がBを履修してもよい。学生の到達度に従って別課題を与える。

成績評価

学期末の試験、及び出席による平常点。

担当教員の一言

英語、および諸外国語の学習をリフレッシュしたいと望む学生に最適である。英語嫌いの者には自分の語学能力の再発見のため、英語好きの者には更なる語学力の向上のため、このエスペラント講義は役に立つ。独、仏、伊、西、中、露の学習の助けにもなる。留学生にとっては、日本各地のエスペランチスト達との交流の手段となる。
人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。

その他

推奨学期:1,3,5,7 連絡先:世界文明センター(内線3892)

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