人はそれぞれ異なる物事の捉え方(=認知)をするため,物質的な意味で同じ世界に存在していても「こころ」というフィルターを通して見る世界は十人十色です。
本講では,心理検査や心理療法を実際に体験して頂く傍ら,脳や遺伝子,薬理,神経伝達物質,診断基準などに関するトピックスも交えて幅広く精神医学というものを説明していく中で,こころの働きの不思議さを皆さんにご紹介する予定です。
精神医学および臨床心理学、精神保健学といった学問分野に関する知識を幅広く身につけることを目的とした初学者向けの講義です。
一回目はガイダンスです
二回目以降は、各種心理検査や各種心理療法の体験を交えつつ、「精神医学の歴史」「精神医学とは何か」「精神疾患とはなにか」「精神疾患の原因」「『診断』とはなにか」「精神医学と広告」「精神医学と現代社会」「メディアの中の精神医学」「認知療法」「コミュニケーション」「アサーショントレーニング」「催眠療法」「精神分析」「集団精神療法」「脳機能」「薬理学」「遺伝子」「遺伝カウンセリング」「気分障害」「統合失調症」「認知症」「摂食障害」「発達障害」「不適応」「当事者研究」「量的研究」「質的研究」「知能検査」「人格検査」「質問紙法」「投影法」「病跡学」「芸術心理学」「司法精神医学」「骨相学」「体型」「顔」「伝統医学(タントラ、タンカ、針聞書など)」「シャーマニズム」「EBM」などのテーマを適宜取り扱います。
最終回に期末レポート(論述式テスト形式)を行います。
全体的に、「臨床心理学(別の日時に開講)」と比較すると臨床よりの内容となります。研究手法や統計の話題にはほとんど触れない予定です。心理検査の体験を「臨床心理学」よりもかなり多めに織り交ぜつつ授業を進めていきます。なお、事前知識は不要です。
プリントを適宜配布します。
出席率が十分であることが単位認定の前提となります。
文系科目「精神医学入門」の単位を取得した学生はこの科目を履修できません。
基本的に期末レポート(論述式テスト形式)により評価を行います。授業時間内に実施します。紙媒体(書籍、ノート、配布資料など)の持ち込みは自由です。
出席は期末レポートの評価が「可」もしくは「不可」に属したものの成績評価にのみ影響します。出席は不定期にとります。
人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席してください。
現時点では、様々な心理検査を皆さんに体験していただく予定ですので、そういった内容に関心のある方、ぜひどうぞ。
推奨学期:1,3,5,7 連絡先:世界文明センター(内線3892)