現代アメリカ文化論   American Culture in the Twentieth Century

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担当教員
江崎 聡子 
使用教室
月5-6(S638)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0804
シラバス更新日
2009年7月30日
講義資料更新日
2009年7月30日
学期
前期  /  推奨学期:1,3,5,7

講義概要

自動車,ロック,ハリウッド映画,高層建築,野球,郊外都市,ショッピングモール,テーマパーク,テレビ,ジーンズ…。こういったものは現代のアメリカ文化の代表的要素であり,また同時にアメリカ文化が浸透した他地域の社会や文化を読み解くためのキーワードとなっている。授業では,こういったアメリカ文化の要素が,どういった社会的文化的背景のもとに誕生し形成され,その特質とは何か,そしてどのように世界的に浸透し偏在し,同時代,あるいは現代に生きる我々の思考や行動様式に影響を与え続けてきたのかという問題を考察する。とりわけ,美術,装飾美術(インダストリアルデザイン等も含む),写真,映画,建築,TVドラマやアニメーションなどのポップカルチャーに焦点をあて,視覚文化の方法論を念頭におきながら,これらのもつ問題を議論したい。

講義の目的

自動車、ディズニー、ロック、ウインドウズ、ハリウッド映画、高層建築、ジャズ、野球、郊外都市、ショッピングモール、テーマパーク、ポップアート、テレビ、ジーンズ…。こういったものは現代のアメリカ文化の象徴であり、また同時にアメリカのみならず、他地域の社会や文化を読み解くためのキーワードとなっている。ではなぜ、フランスでも、イタリアでも、日本でもなく、あるいは一つの強力な政治的、軍事的、経済的対抗軸であった旧ソ連でもなく、アメリカ合衆国の文化が覇権を握り、二十一世紀の今もなお、そして2001年9月11日の同時多発テロの衝撃以降も依然として世界の支配的な文化たりうるのだろうか。この授業の目的は、こういったアメリカ文化の要素がいかに形成され、その特質とは何か、そしてどのように世界的に浸透し偏在し、現代の社会に生きる我々の思考や行動様式に影響を与え続けているのかを考察することある。
 
授業では二十世紀アメリカの視覚文化の性質を個々の具体的な作品や現象をとりあげながら考察していきたい。とりわけ、美術、装飾美術(インダストリアルデザイン等も含む)、写真、映画、建築、TVドラマやマンガなどのポップカルチャーといったジャンルにおける動向に注目し、これらを生み出した社会的文化的背景を探り、また同時にこれらが、同時代あるいはその後の社会や文化、人間の生き方に与えた影響を考えていきたい。

講義計画

1. イントロダクション:視覚文化とはなにか、そしてその分析方法としてのカルチュラルスタディーズ、アメリカンスタディーズ、美術史
2-4. 都市の表象:アメリカの風景-絵画、写真、インダストリアルデザインに見る二十世紀のニューヨーク、シカゴ、ロサンジェルス、ラスベガス
5. 都市の諸相:映画館、万博、遊園地の誕生と展開
6,7. 「アメリカ芸術」の誕生:抽象表現主義、ネオダダ、ポップアート、ミニマルアート、ニューリアリズム
8. アメリカンウェイオブライフ:第二世代のインダストリアルデザイン、戦後都市計画と郊外の誕生、ポストモダニズム建築
9,10. 宇宙時代のアメリカ文化:サイエンスフィクションに見る黙示録的世界観
11,12. 戦争とアメリカ文化:戦争はいかにして語られたか-ベトナム戦争と報道写真、映画
13. 「周縁」の叫び:対抗文化,フェミニズムアート、ブラックカルチャー
14. エピローグ:9.11同時多発テロとアメリカ文化

(準備の都合上、多少の変更の可能性がある)

教科書・参考書等

特に教科書は指定しないが、授業中に適宜参考書を紹介する。

関連科目・履修の条件等

高校の教科書程度の世界史(特に近現代史)の知識があることが望ましい。
文系科目「現代アメリカ文化論」の単位を取得した学生はこの科目を履修できません。

成績評価

中間レポート(美術展鑑賞レポートあるいは映画鑑賞レポートのどちらかを選択)30%、期末レポート70%の配分で評価する。両方のレポート提出が単位取得に必須である。

担当教員の一言

皆さんにとっては専門外の授業でしょうが、まったく関連性のないと思われるものに触れることが自分の研究やあるいは人生そのものにおける思わぬ発見に結びつくことが多々あります。高い山ほどすそ野は広いといいます。すそ野を広げてください。
 人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。

その他

推奨学期:1,3,5,7 連絡先:世界文明センター(内線3892)

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