科学は一つの真理を求める。しかし,文学作品を「読む」ことの快楽は,テクストの「意味」が複数に分裂していくところにある。ことに短編小説には作者の「たくらみ」が言葉の隅々にまで隠されているし,作者が思っても見なかった意味すら読者は「発見」することがある。そんなふうに,「読む」ことの醍醐味を体験してもらいたい。授業は少人数で演習形式が中心になる。
文学作品は多義的であり、読み手の問題意識や読解能力の深浅によって異なる相貌を見せる。それこそが文学の魅力の中心。
ゼミ形式で短編小説の読解を行うことで、具体的な読み方を体験として学ぶ。
まず、夏目漱石「夢十夜」を読解する(1話につき担当発表者2名)。
後半は、君たち自身が推薦した短編小説について発表する。
『夢十夜』は角川文庫、新潮文庫等で入手しておくこと。
特になし。
平常点(出席、発表、発言)40点。
期末レポート(2,000字以上)60点。
受講人数は20名以内に制限するので、一回目の授業に必ず出席すること。