憲法は,民法や刑法に比べて,身近な存在ではないと感じている学生も多いのではないでしょうか。しかし,本当に身近ではないのでしょうか。例えば,「お前は国政について意見するな。したら逮捕するぞ。」と警察官に言われたらどうでしょう。また,「お前の親は農民だから子どものお前も農民以外の職は認めない。違う職に就いたら罰するぞ」と役人に言われたらどうでしょう。そんな世の中息苦しいですよね。実は,憲法に規定されている『人権』とは,普段は空気や水のような存在に感じてしまいがちですが,今のような事例をふまえて,その存在意義をあらためて検討してみると,なくてはならない重要なものだということが理解できるのではないでしょうか。そして,現代に眼を見やれば,冤罪事件の多発,反戦ビラ配布者の逮捕,監視カメラ記録の不正利用など,我々の人権が侵害されているケースが未だに数多く存在しています。本講義は,事例を中心に,主に,憲法上の人権を検討していき,日本国憲法の重要性を再考してみたいと思います。
憲法は、民法や刑法に比べて、身近な存在ではないと感じている学生も多いのではないでしょうか。しかし、本当に身近ではないのでしょうか。例えば、「お前は国政について意見するな。したら逮捕するぞ。」と警察官に言われたらどうでしょう。また、「お前の親は農民だから子どものお前も農民以外の職は認めない。違う職に就いたら罰するぞ」と役人に言われたらどうでしょう。そんな世の中息苦しいですよね。実は、憲法に規定されている『人権』とは、普段は空気や水のような存在に感じてしまいがちですが、今のような事例をふまえて、その存在意義をあらためて検討してみると、なくてはならない重要なものだということが理解できるのではないでしょうか。そして、現代に眼を見やれば、冤罪事件の多発、反戦ビラ配付者の逮捕、監視カメラ記録の不正利用など、我々の人権が侵害されているケースが未だに数多く存在しています。本講義は、事例を中心に、主に、憲法上の人権を検討していき、日本国憲法の重要性を再考してみたいと思います。
1回 憲法とは何か(ガイダンスもかねて)
2回 憲法の歴史
3回 個人の尊重(1)
4回 個人の尊重(2)
5回 法の下の平等
6回 精神的自由(1)
7回 精神的自由(2)
8回 経済的自由
9回 人身の自由(1)
10回 人身の自由(2)
11回 社会権
12回 参政権・国務請求権
13回 統治機構(1)一国会・内閣
14回 統治機構(2)一司法・違憲立法審査制
テキスト石埼学・笹沼弘志・押久保倫夫編『リアル憲法学』(法律文化社・2009)を使用します。また、体系的に憲法を勉強したい方は、予習復習用の参考書として、麻生多聞・榎澤幸広など『初学者のための憲法学』(北樹出版・2008)をお薦めします。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
試験(定期試験期間内)で評価する。(履修者数などに応じて、変更あり。初回に話し合いますので必ず出席すること。)。
一昨年は、日本国憲法を考える上で、様々なできごとがありました。その中でも一番重要なことは、憲法を改正するための国民投票の手続を規定する法律が成立したことです。このことによって、戦後一切改正されることのなかった日本国憲法の改正が現実味を帯びてきました(首相交代やねじれ国会によって、沈滞ムードという意見もありますが)。これを契機に、憲法の世界に興味のある人もそうでない人も、国民投票権者の一人である以上、日本憲法の内容を再検討することは大事なことだと思わます。
授業の最初の回に、成績評価なども含めてガイダンスを行いますので必ず出席してください。また、人数制限をする場合もあります。
推奨学期:3学期
連 絡 先:大岡山西9号館7階714号室 価値システム事務室