主として近代以降のヨーロッパにおける科学の歴史を通して,科学と社会の相互作用,科学の社会的・文化的側面について考えていく。大学と学会,科学と技術,科学の制度化,科学の専門家と職業化,各国での科学研究の在り方の比較,戦争と科学,科学と産業,科学とイデオロギー,冷戦後の科学,環境問題と科学などのテーマを取り上げる。
人間の営みとしての科学がどのようにその時代の社会とかかわり、それによってその内容や性格がかわり、今日あるような姿になったかを考察する。主として近代科学の成立以降の欧米で科学の展開を扱う。とくに20世紀に重点を置く。
1. ヨーロッパにおける近代科学の成立の前提
2. 近代科学の成立
3. 18世紀と自然科学の展開
4. フランス革命期の科学者たち
5. リービヒと科学者養成の制度化
6. 19世紀社会とダーウィン進化論の成立
7. 物理学革命:X線から量子力学まで
8. 化学戦としての第一次世界大戦
9. 企業内研究所の起原
10. 第二次大戦と原爆開発
11. 冷戦と科学者
12. 企業と科学―遺伝子工学
13. 国際政治と環境科学
14. 冷戦後の科学・技術の転換
教科書はとくに使わない。適宜、資料を配布し、参考文献を紹介する。
出席率が十分であることが単位認定の前提であるから留意すること。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。
学期途中のレポートと学期末試験で評価する予定である。
たんに受け身で講義を聞くのでなく、双方的な授業になるように工夫したい。
なお、人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。
推奨学期:7学期
連 絡 先:大岡山西9号館4階410号室(内線2270)