科学技術者倫理   Ethics in Engineering

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担当教員
木本 忠昭 
使用教室
月5-6(W541)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0188
シラバス更新日
2008年10月1日
講義資料更新日
2008年10月1日
学期
後期  /  推奨学期:-

講義概要

近年,技術者の倫理を問われる事件が多く起こっている。チャレンジャー号の爆発では,打ち上げが懸念されるというデータがありながら最後まで担当技術者が主張しなかったとか,建築の設計が手抜きであったとか,あるいは工事の手抜きを行った結果が大事故につながったなどなど例を挙げればきりがない。現在も問題になっている原子力炉シュラウドでのデータ隠しも(経営者は勿論)技術者の責任を問われる問題である。
他方,アメリカでは技術者倫理の素養を持たない者は,専門職業としての技術者としては認められない制度となっている。日本でも日本工業教育協会でも,技術教育の認定制度を導入し,東工大でも認定基準をクリアするよう,これに対処することとなった。この認定制度の資格を取らないと,海外で技術者として活動できない局面も出てきている。
本授業は,こうした要求をクリアし,設定された資格を受ける条件を満たすという側面と,それとは関係なく,技術者としては本来,倫理的な模範をもつべきであるという考えから,科学技術者の倫理問題を考える授業として開講するものである。
授業内容は,科学技術者倫理とは何かというところから始まって,過去に発生したケーススタディを通じて,何がどのように問題であったかを取り上げ,最後に応用倫理学としての理論を展開する。

講義の目的

近年、技術者の倫理を問われる事件が多く起こっている。チャレンジャー号の爆発では寒気の中での打ち上げが懸念されながら最後まで担当技術者が危険性を主張し(え)なかったとか、別の例では建築の設計が手抜きであったとか、あるいは工事の手抜きを行った結果が大事故につながったなどなど例を挙げればきりがない。原子力関係でも原子力炉シュラウドのデータ隠し、東海村の臨界事故、蒸気管の点検の不十分さなども(経営者は勿論)技術者の責任が問われている問題が多い
他方、アメリカでは技術者倫理の素養を持たない者は、専門職業としての技術者としては認められない制度となっている。日本工業教育協会でも、技術教育の認定制度を導入し、東工大でもその認定基準をクリアするよう、教育プログラムを改革し、これに対処することとなった。この認定制度の資格を取らないと、海外で技術者として活動が難しい局面も出てきている。
本授業は、こうした要求をクリアし、設定された資格を受ける条件を満たすという側面と、それとは関係なく、技術者としては本来、倫理的な模範をもつべきであるという考えから、科学技術者の倫理問題を考える授業として開講するものである。
授業内容は、科学技術者倫理と は何かというところから始まって、過去発生したケーススタディを通じて、何がどのように問題であったかを取り上げ、最後に応用倫理学としての理論を展開する。

講義計画

取り扱う予定のトピックス:
1 木本 イントロダクション--科学技術者倫理はなぜ必要か
2 木本 技術者と企業・社会--三菱自動車と倫理
3 木本 水俣病と技術者倫理
4 札野 世界の技術者倫理
5 札野 チャレンジャー号と技術者倫理
6 柿原 事故の社会学
7 柿原 逸脱の常態化(1)
8 柿原 逸脱の常態化(2)-JCOの臨界事故
9 柿原 専門家・専門職業の役割と責任
10 大上 生命科学-技術者と社会的問題--ケース・スタディ
11 大上 生命科学・技術者は何をすべきか(倫理と制度)
12 柿原 演習・ディスカッション その1
13 林  倫理学と科学技術者倫理(1)
14 林  倫理学と科学技術者倫理(2) 演習 その2

教科書・参考書等

特になし

関連科目・履修の条件等

この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。

成績評価

レポートを主とするが、途中でも小問を考えてもらう。

担当教員の一言

人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。

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