環境・社会論   The Theory of Environmental Protection

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担当教員
伊瀬 洋昭 
使用教室
金1-2(W934)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0122
シラバス更新日
2008年10月1日
講義資料更新日
2008年10月1日
学期
後期  /  推奨学期:-

講義概要

私たちが直面しているさまざまな環境問題について,社会的側面から整理・分析し,受講生にとって考えるべき論点・課題がより明確になる,そのことを目指して講義をすすめる。環境問題などの「現代的課題」に対しては,安易な結論に安住して思考停止状態になることを避け,より本質的な課題について検討し続けていくことこそが,重要だと考えるからである。
社会的側面から見たとき環境問題には,局所的なものにも地球規模のものにも共通する面を見出すことができるし,薬害や一般に人間の健康の問題,技術の安全性と事故の問題,資源問題やゴミ問題,自然災害を防ぐ問題などと密接に関連する面も見出すことができる。そのような連関を視野に入れながら,いくつかの歴史上の事例を題材としてとり上げて検討を加える。

講義の目的

私たちの社会が直面している地域や地球規模での様々な環境問題を社会的関係において分析し、その問題解決へ向けての取り組みや現状を論ずる。受講生が今後様々な分野で「永続可能な社会」の実現を推進する「環境負荷の少ない社会システム変革の主体者」となるための基本的な考え方や実践的知識について、具体的な事例を通じて修得することを目的とする。

講義計画


担当講師
テーマ
概要

1
伊瀬
ガイダンス
環境・社会論の進め方及びアンケート

2
伊瀬
企業活動と環境
企業コンプライアンスと企業活動における環境対応を考える

3
伊瀬
環境と健康影響
ディーゼル排気微小粒子や沿道騒音を例に環境と健康影響への配慮とはなにかを考える

4
伊瀬
環境リスクと予防原則
環境リスクをめぐる論争を紹介し予防原則について考える

5
伊瀬
環境アセスメントと代替案
計画に環境配慮を組み入れ、社会的合意形成に役立てるための方策を考える

6
伊瀬
裁判や公害調停の役割を考える
公害・環境破壊のない社会へ変革するための司法過程とステークホルダーの関与について考える

7
伊瀬
環境と技術者倫理
技術者・研究者の社会的責任と倫理について考える

8
伊瀬
サステイナブル社会
永続可能な社会とは何か、環境を軸にサステイナビリティを考える。

9
小野塚
「有害性」「毒性」とは?
重金属や有機塩素系化合物の、「有害性」、「毒性」について生命の誕生・進化史のなかから考える。

10
小野塚
化学物質と社会(I)
塩素化合物の社会史(合成・開発・軍事利用)

11
小野塚
化学物質と社会(II)
合成化学物質の生産・利用に伴う大規模な事故・事件・環境汚染問題

12
小野塚
化学物質と社会(III)
化学物質の未来世代への影響(「環境ホルモン問題」)

13
小野塚
化学物質と社会(IV)
有害化学物質の規制および社会的管理の現状と課題

14
小野塚
有害化学物質による食品汚染(I)
ダイオキシン類による魚介類汚染の実態と課題

15
小野塚
有害化学物質による食品汚染(II)
メチル水銀による魚介類汚染の実態と課題

関連科目・履修の条件等

この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。

成績評価

原則として出席率50%以上、かつ2つの課題についてレポートを提出したものを成績評価の対象とする。

担当教員の一言

人数制限をする場合があるので、一回目の授業に必ず出席すること。

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