歴史表現論   Historical Expression

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担当教員
山室 恭子 
使用教室
月5-6  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
0128
シラバス更新日
2007年2月7日
講義資料更新日
2007年2月7日
アクセス指標
学期
後期  /  推奨学期:-

講義概要

これであなたも時代小説通-司馬遼太郎・池波正太郎あるいは隆慶一郎。絢爛豪華に個性を競う日本の時代小説に焦点をあて,各回読み切りで練達の作家たちがどのように歴史をとらえてきたかを読み解く。映画・朗読・コミックなど多様な歴史表現をも視野に入れて,人間の表現力や想像力のありようを広く体感したい。

 歴史を生きることは未来を生きること。作家たちの入魂の作品の中から,人生の指針を見つけ出していただければ幸いである。

講義の目的

 人は過去の記憶なしには生きられない。では、日本人の記憶のかたちとは?
 『竜馬がゆく』1600万部、『鬼平犯科帳』1900万部、長く読み継がれてきた時代小説の読みどころを紹介しつつ、岡野玲子、幸村誠ら最新のコミックの旗手たちの表現形式にも注目して、人々が過去というものをどのようにとらえ、未来への指針としているのかを考えます。

講義計画

一週一作品。現代から過去へ、ゆっくり時代をさかのぼる趣向です。

近未来 村上龍 『半島を出よ』
戦中 かわぐちかいじ 『ジパング』
幕末 司馬遼太郎 『竜馬がゆく』
幕末 杉浦日向子 『百日紅』
江戸後期 池波正太郎 『鬼平犯科帳』
江戸初期 山田風太郎 『甲賀忍法帖』
江戸初期 吉川英治 『宮本武蔵』
戦国末期 隆慶一郎 『影武者徳川家康』
戦国末期 加藤廣 『信長の棺』
平安時代 岡野玲子 『陰陽師』
古代ローマ 塩野七生 『ハンニバル戦記』
そして未来へ 幸村誠 『プラネテス』
(上記は2005年度実施のものです。毎年、最新の話題を取り入れてラインナップを組み替えます。)

 話題の映画を取り上げ、映像による歴史表現を追究する<プチシネマ>パートもお楽しみに。

教科書・参考書等

プリントを配布します。

関連科目・履修の条件等

教室の座席数に合わせて受講者数の制限をおこなうので、履修希望者は初回のガイダンスに必ず出席し、所定のレポートを提出してください。
この科目は、平成18年度以降の入学生には文系科目、17年度以前の入学生には文系基礎科目の単位として認定されます。

成績評価

毎回、提出していただくミニ課題の内容を総合して評価します。

担当教員の一言

古くて新しい時代小説の世界。
その一端に触れることが、今後の長い人生のどこかに生かされれば、と願いつつ。

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