この講義では、代表的な生体分子であるタンパク質や核酸の量・構造・性質を実験的に調べるための手法について学習します。生体分子を分析する手法には色々な手法があるので、それぞれの手法を専門とする複数の教員が講義を担当し、基礎的な原理だけでなく実際の研究現場における活用事例も含め解説します。
研究現場での活用例など高度な内容も含まれるため、少し難しいと感じるかもしれませんが、それらを先取りして勉強することは、生命科学の全体像を把握し、自分の進むべき方向を見つけるために役に立つと思います。
まず、生物を構成する分子であるアミノやヌクレオチドの化学構造を描けるようになりましょう。また、分子の量を測定したり、分子の性質を調べる定量定性分析の基礎をマスターしてもらいます。それらの知識をもとに、タンパク質や核酸の分離法、定量法、構造決定法、相互作用解析法として用いられる最新の手法についてその種類や活用法を学習してもらいます。それと同時に、それらの手法の背景にある物理的原理および化学的原理について理解しましょう。
以下の内容についてそれぞれ専門の教員が講義します。日程などが変更になる場合はその都度授業の中とOCWで連絡します。
・生体分子の化学 (清尾 10月2日)
・定性分析と定量分析 (大窪 10月16日、23日)
・光と物質 (湯浅 10月30日、11月6日)
・ゲノミクス(相澤 11月13日)
・プロテオミクス(林 11月20日)
・イムノアッセイ (梶原 11月27日)
・中間テスト(12月4日)
・免疫顕微鏡法(長田 12月11日)
・X線結晶構造解析(村上 12月8日)
・クロマトグラフィー(一瀬 1月8日)
・NMR(清尾 林 1月14日、22日)
・まとめと補足(清尾 1月29日)
・期末テスト(2月5日の予定)
授業でプリントを配布します
履修の条件は特にありませんが、生命科学科・生命工学科で前期に開講されている有機化学、物理化学、生化学、分子生物学などに関連する授業を受講していると内容の理解がより容易になります
中間テストおよび期末テストにより評価します
分析手法の基礎知識から実際の研究現場での実践的トピックを両方聞くことのできる特徴のある授業です。
「遺伝子配列ってどうやって調べたの?」「分子の三次元構造ってどうやって決めるの?」「細胞の中から特定の分子を分離するのはどうすればいいんだろう?」「目に見えないのに分子がそこにいるってなんで分かるの??」など、実験により生命にアプローチする時に出会うで素朴な疑問を解決するための色々な分析法を勉強します。
分子生物学・生化学・有機化学・物理化学を専門とする複数の先生が協力して担当する、いかにも東工大生命らしい授業です。
また、複数の教員が登場するので、色々な先生の研究内容や人柄に触れる絶好のチャンスです。
清尾康志(kseio@bio.titech.ac.jp)