分子生物学における中心教義、「セントラルドグマ」は、遺伝情報の継承・発現を理解する上で必須となる基本概念である。本講義では、セントラルドグマの各過程(DNAの複製、RNAへの転写、タンパク質への翻訳)を支える分子基盤について、それらを明らかにしてきた研究の歴史や重要な基礎知識、最近の新たな展開までを詳解する。
本講義では、DNAの複製、転写、翻訳等、生命の根幹を成す重要なプロセスがいかにして成り立っているのか、その巧妙さを分子の言葉で深く理解し、他の生命現象の理解にも通ずる分子遺伝学的、分子生物学的な思考力を養うことを目的とする。
第1回 化学と遺伝学(分子遺伝学のおさらい)
第2回 DNA 複製 (1)
第3回 DNA 複製 (2)
第4回 突然変異、修復
第5回 相同組換え
第6回 部位特異的組換え + 小テスト
第7回 遺伝学から分子遺伝学へ(ファージとバクテリアの遺伝学)
第8回 RNAポリメラーゼ(生物の多様性と基本細胞装置の関係)
第9回 転写調節1
第10回 転写調節2
第11回 クロマチンとエピジェネティクス + 小テスト
第12回 遺伝子の翻訳
第13回 翻訳調節、遺伝暗号
第14回 タンパク質の構造形成・輸送
第15回 タンパク質の分解 + 小テスト
ワトソン 遺伝子の分子生物学
細胞の分子生物学
分子生物学1, 2と共に受講することが望ましい。
3回の小テスト(筆記試験)で評価する