量子化学の手法を解説し,原子の構造、分子の構造を解説するとともに、共有結合、イオン結合のほか、生体分子の構造形成や相互作用で重要となるさまざまな結合について理解を深める。また、分子の構造を観察する手法であるX線結晶構造解析や、分光法などの理論についても解説する。
教科書としては「アトキンス 生命科学のための物理化学」を使う。
生命現象は生体分子が織りなす様々な化学反応の総体であり、その本質的理解には物理化学的な解釈が必要不可欠となるはずである。生命を理工するために必要な物理化学的な知識とセンスの教授が本講義の目的である。
第1回 概説 生命科学を原子レベルで考えるうえで必要になる物理化学的な考えかた
第2回 量子力学的な概念、微視的な系の力学
第3回 原子,分子の構造(1):原子価結合法(VB法)
第4回 原子,分子の構造(2):分子オービタル概念(MO法)に基づく分子軌道法
第5回 原子,分子の構造(3):原子同士の結びつき=結合、分子
第6回 原子,分子の構造(4):原子同士の結びつき=結合、分子
第7回 分子の構造(1):実際に原子・分子を観測する分析法,結晶構造解析
第8回 分子の構造(2):実際に原子・分子を観測する分析法
第9回 分子間相互作用(1)生体内での反応を考える上で大事な相互作用
第10回 分子間相互作用(2)生体内での反応を考える上で大事な相互作用
第11回 分子の回転と振動(1)
第12回 分子の回転と振動(2)
第13回 電子遷移と光化学
第14回 電子・核の磁気モーメントと磁気共鳴(1)
第15回 電子・核の磁気モーメントと磁気共鳴(2)
アトキンス 生命科学のための物理化学 P.W.Atkins 著 稲葉章・中川敦史 訳
参考書等
アトキンス 物理化学(上) P. W. Atkins 著 千原秀昭・稲葉章 訳
履修条件は特にないが、生命理工学課題解決演習(生命科)第一 を同学期に履修する事が望ましい。
出席点と期末試験の成績により評価する
物理化学と生命科学を繋ぐ基本的な考え方を得るための大事な授業です。
生命現象も物理化学現象のひとつであり、生命を完全、かつ、本質的に理解するためには、物理化学は必須です。
“生命科学を行うために”、履修して下さい。