生命情報のダイナミズムを制御する核酸やタンパク質は,その特異な立体構造によって分子間相互作用を限定し,特定の作用によって機能が発現するように設計されている。これを理解するために,まず分子間相互作用の基本概念について講義する。つぎに,立体構造の構築原理を説明し,分子進化と機能の多様化,立体構造の環境適合,生体反応や生命体の仕組などを立体構造に基づいて解説する。また,方法論についても触れ,構造生物学の物理化学的手法の原理を解説する。
生命情報のダイナミズムを制御する核酸やタンパク質分子に着目し、これらの立体構造から見た生物学を講義する。それぞれの立体構造の特徴と構築原理、分子進化と機能の多様化、立体構造の環境適合などを説明し、生命体の仕組みを分子の立体構造に基づいて理解を深める。また、方法論についても触れ、構造生物学の物理化学的手法の原理を解説する。