社会シミュレーションは、広範な社会現象の動的な原理を理解することを目的として開発された研究手法の一つである。社会シミュレーションは、システム全体の挙動を表す方程式を見出すことを目的とはしていない。むしろ、人間社会のように個人どうしが局所的に相互作用することの集積が個々の構成要素の性質から直接導き出せない大域的な社会の現象(たとえば、文化・規範・言語のようなもの)を創発するモデルを構築することを目的としている。
本講義では社会シミュレーションの概要と実例をもとに紹介する。また簡単なシミュレーションモデルの構築もおこなう。
社会シミュレーションの概要を理解し、シミュレーションモデルの構築・実装の手順を身に着けることを目的とする。
講義室:西9号館508号室(電算室)
2015年度講義日程
10/3(土)、 10/17(土)、 11/14(土)、 11/28(土)、 12/5(土)、 12/19(土)、 1/9(土)
13:20~14:50、15:05~16:35
Section 1:社会シミュレーションの概要
社会シミュレーションの概要
単純なモデルによる社会のモデル化(LataneのDSITモデル)
Section 2:DSITモデルの実装と拡張
DSITモデルの拡張研究
Axelrodの文化伝播モデル
DSITモデルの拡張(実装)
マスメディア、ソーシャルメディアの導入
Section 3:エージェントシミュレーションの構築
エージェントシミュレーションの実装における基本フレームワーク
モデルの実装とシミュレーション研究の流れ
Section 4:社会問題とエージェントシミュレーション
囚人のジレンマとシミュレーション
囚人のジレンマ実装演習
Section 5:ゲーム理論における協調問題の発展
ゲーム理論における各種ゲーム
社会的ワクチンと一般化メタ規範
Section 6:さまざまな領域におけるエージェントシミュレーション
消費者行動・ソーシャルメディアの発展・文化伝播モデル
講義用Webページを初回講義時に提示し、Webページを通じて適宜資料等を配布する。
特にないが、「プログラミング基礎」の履修が望ましい。
講義中にレポート課題を複数回実施し評価する。