ミクロ経済学第一   Microeconomics I

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担当教員
大和 毅彦 
使用教室
水2-4(W621)  
単位数
講義:2  演習:1  実験:0
講義コード
7705
シラバス更新日
2015年4月7日
講義資料更新日
2015年7月1日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

中学校で習う公民の教科書や経済学の入門書には,「価格が安いほど需要される量が多い」ことを示す「需要曲線」、「価格が高いほど供給される量が多い」ことを表す「供給曲線」、これらの需要曲線と供給曲線が交わる「市場均衡」を表す図が必ず載っています。しかし、需要曲線は、人々の消費行動の結果を表すものであって、消費者がどのような行動をとれば、このような需要曲線になるのかについては明らかではありません。同様に、供給曲線は企業の生産行動の結果を表すものであって、企業がどのような行動をとれば、このような供給曲線になるのかについても自明でありません。
 本講義では、需要曲線と供給曲線の背後にある経済行動を分析し、さらに、価格を用いた市場取引がなぜ有効なのかを、市場均衡の特徴を吟味して考察します。また、理論の知識を深めることを目的として、経済実験も行なう予定です。

講義の目的

経済学では,様々な社会問題を個人の「合理的な」経済行動の結果として捉え,効率性や公平性の基準で評価し,効率的で公平な資源配分を実現する政策や制度の設計を行います。この講義では,経済学的なものの見方,個人の行動,そして社会全体の動きがどのように関連しているか,特に私たちが日常的に接している市場について説明し,その上で経済学のあらゆる分野の基礎となるミクロ経済学の基礎概念を理解することを目指します。

講義計画

Ⅰ ミクロ経済学とは ー需要と供給ー
Ⅱ 消費の決定 A.選好 B. 予算制約 C. 消費者の選択
Ⅲ. 需要関数 A. 所得消費曲線とエンゲル曲線 B. 価格消費曲線と需要曲線 C. 所得効果と代替効果 D. 需要の法則
Ⅳ 生産の理論 A.生産活動 B.生産の技術的制約 C.費用曲線 D.最適規模
Ⅴ 競争市場均衡 A.競争市場均衡 B.消費者余剰と生産者余剰 C.競争均衡の最適性
VI 独占 A.独占企業の利潤最大化 B.完全競争と独占の比較

教科書・参考書等

(テキスト)
特定のテキストは使わず、東京工業大学OCWで公開されている講義資料を用いて説明します。各自ダウンロードし,講義に持参して下さい。

(参考書) 
学部中級レベル:
神取道弘 「ミクロ経済学の力」 (日本評論社、2014年)
西村和雄 「ミクロ経済学入門」(岩波書店,1995年)
石井、西条、塩沢 「入門・ミクロ経済学」 (有斐閣、1995年)
石井、西条、塩沢 「演習入門・ミクロ経済学」 (有斐閣、1996年)

学部上級・大学院レベル:
武隈愼一 「ミクロ経済学」(新世社,1999年)
西村和雄 「ミクロ経済学」(東洋経済新報社,1990年)

関連科目・履修の条件等

履修の条件:特になし.

成績評価

試験と演習問題をもとに評価する.病気・事故等の特別の場合を除いて、レポート・再試験による救済措置は取らないので、各試験に全力を尽くすこと。

担当教員の一言

毎回授業の復習を行うことが必要。各項目ごとに内容の理解を深めることを目的として「演習問題」を配布する予定である。出席は取らないが、これは出席するのは当然であるという認識に立っているからである。ステップ・バイ・ステップで知識を積み重ねて理解していく科目であるから、たまに出席しても講義内容を全く理解できないであろう。

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