ミクロ経済学第二   Microeconomics Part II

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担当教員
大和 毅彦 
使用教室
火3-4(W932)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
7702
シラバス更新日
2015年10月4日
講義資料更新日
2016年1月19日
学期
後期  /  推奨学期:4

講義概要

【到達目標】 本講義では、ミクロ経済学第一に引き続き,経済学を学ぶ上で必要不可欠となるミクロ経済学の考え方を理解し、基本的な知識を身に付けることを到達目標とします。価格を用いた市場取引メカニズムの有効性と限界について、理解できるようになることを目標とします。
【テーマ】 本講義では,一般均衡分析、交換経済、パレート効率性、競争均衡の考え方を理解し,さまざまな経済問題の分析に応用するための基礎を築くことを目的とします。さらに、外部性問題、ピグー税、コースの定理、共有地の悲劇、公共財供給の基礎を理解し身につけます。

講義の目的

  ミクロ経済学は、社会における最小の経済主体である個人(消費者または家計)や企業の、財・サービスの生産・消費・分配に関する合理的行動の分析を行う学問です。ここで財とは、食糧・衣服など人間の日常生活に必要な消費財や、企業が様々な財の生産に用いる原材料や機械などの資本財を意味し、サービスの中には、輸送・通信・医療・教育などのサービスが含まれます。
 また、合理的行動とは、ある制約条件を満たす範囲内で目標を最もよく達成する選択を行うことです。例えば、消費者は、自分の持っている所得の範囲内で自分の効用(満足度)が最も高くなるような財の組み合わせを選びます。他方、企業は、所有している生産原材料・機械を効率よく利用して、利潤を最も大きくするような生産計画を立てます。個々の経済主体にとって、生産・消費に関する最適な選択は何か、社会全体として、どのような財・サービスの分配を行うべきかを吟味します。
 ミクロ経済学第二では,まず,市場価格メカニズムの有効性を明らかにします。さらに,市場の限界について吟味し,外部性,公共財供給,共有地の悲劇などの問題について考察します。また,理論の知識を深めることを目的として,経済実験も行なう予定です.

講義計画

1)ミクロ経済学の分析手法:部分均衡分析と一般均衡分析
2)交換経済
A.エッジワース・ボックス 
B.個人合理的な配分
C.パレート効率な配分
D.市場均衡とコア
E.公平な配分
2)外部性
A. 外部性問題
B. ピグー税
C. コースの定理と取引費用
D. 共有地の悲劇
3)公共財供給
A. 公共財の定義と最適供給
B. 公共財の私的供給:ただ乗り問題
C. 自発的支払メカニズム
D. リンダール均衡
E. 需要表明メカニズム

教科書・参考書等

(テキスト)
特定のテキストは使わず、東京工業大学OCWで公開されている講義資料を用いて説明します。各自ダウンロードし,講義に持参して下さい。
(参考書) 
神取道弘 「ミクロ経済学の力」 (日本評論社、2014年)
西村和雄 「ミクロ経済学入門」(岩波書店,1995年)
石井、西條、塩沢 「入門・ミクロ経済学」 (有斐閣、1995年)
石井、西條、塩沢 「演習入門・ミクロ経済学」 (有斐閣、1996年)

関連科目・履修の条件等

ミクロ経済学第一を履修済みであることが望ましい。

成績評価

交換経済、競争市場均衡、外部性問題、公共財などに関する概念・考え方,計算法及びそれらの応用に関する理解度を評価します。試験、演習・宿題・レポートをもとに成績を評価する予定です。病気・事故等の特別の場合を除いて、再試験・レポートによる救済措置は取らないので、試験や課題に全力を尽くして下さい。 

担当教員の一言

 各項目ごとに内容の理解を深めることを目的として演習を実施し、宿題を課す予定です。ステップ・バイ・ステップで知識を積み重ねて理解していく科目であり、毎回授業の復習を行うことが望ましいです。
 また,理論の知識を深めることを目的として,経済実験も数回行なう予定です.

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