人間科学概論   Applied Social Science Related to Social Justice and Civic Actions

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担当教員
坂野 達郎  安立 清史  内藤 佳津雄  林 達雄  中村 好一  野口 秀行  小林 美和  佐藤 香  内田 由紀子 
使用教室
金7-8(W932)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
7729
シラバス更新日
2013年10月2日
講義資料更新日
2013年9月20日
学期
後期  /  推奨学期:6

講義概要

経済成長と個人が感じる「豊かさ」や「幸福さ」にずれがあることに注目が集まっています。両者のズレは、経済発展を前提とした社会システムを根本から見直す必要性を示唆するとともに、社会を再設計する重要な手がかりになるからです。急速な少子高齢化やグローバリゼーションといったマクロな社会・経済構造の変化と絡まって、「豊かさ」や「幸福さ」の背景にある価値観の根本的転換が生じています。人口の40%が高齢者の社会では、高齢者は何を生きがいにしているでしょうか。ワーク・ライフバランス、男女の役割意識は変わらないのでしょうか。生産力を重視する社会では、高齢者や女性は弱者としてみなされてきました。一方、目を世界に転じれば、大きな格差が存在していることに気が付きます。途上国で生まれた子どもが5歳になる前に死亡する確率は、先進国で生まれた子どもの13倍を超えます。本講義では、社会における弱者に注目して,その社会と人間についての基本的問題の所在を明らかにし,種々の解決策などについて考察します。

講義の目的

講義の前半では、心理学、社会心理学、社会学の専門家から、主観的幸福感、社会交換理論、ジェンダー論など、社会問題を分析するための基本概念を学びます。また、後半は、社会問題解決に大きな役割を果たすことが期待されているNPO、NGOについて、社会福祉や途上国で先駆的な取り組み行なっている活動家から現場での取り組みを学び、ボランタリーな市民活動の原理と可能性について考える機会としたい。

講義計画

●今年度の講義予定は、以下の通りです。
 講師の都合で、予定変更することがありますので、掲示に注意して下さい。

1 10/04(金) イントロダクション
10/09(水) 休講
10/11(金)(水曜授業)
    10/18(金)休講
  2 10/25(金)高齢者のQOLと福祉政策1 内藤佳津雄(日本大学心理学)
  3 11/01(金)高齢者のQOLと福祉政策2 内藤佳津雄(日本大学心理学)
  4 11/08(金) 性役割分業と生活時間の国際比較 佐藤香(東京大学社会科学研究所)
  5 11/15(金) グローバル化する社会と感染リスク 中村好一(自治医科大学 公衆衛生学)
  5 11/22(金) 社会階層と教育 佐藤香(東京大学社会科学研究所)
  6 11/29(金) 比較文化論から見た幸福感(未定)
  7 12/06(金) 絆とコミュニティ・エンパワメント(未定)
  8 12/13(金) コミュニティビジネスとまちづくり金融 野口秀行(日本政策投資銀行)**
    12/20(金) 休講 修論中間発表
 10  1/10(金) NPOと企業の社会貢献 山本美和(ボーンイング 政府担当部長)
     1/17(金) センター試験 休講
 11  1/24(金) 社会を変える高齢者NPO - NPO日米組織比較(九州大学人間環境学研究院) ** 
12 1/31(金) アフリカにおけるエイズ問題と国際NGO 林 達雄(多文化共生センター 医師)

**  12月13日、1月24日は、講師の都合で3時から6時分まで連続


●授業の進め方
 オムニバス形式で、行う。
 
 

教科書・参考書等

各講師より指定される。

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

・各回講義終了後、感想(800字程度)を提出すること。次の講義の開始時に集めるので持参の事。
・最終授業後、講義に関連したテーマを一つ選び、レポートを提出。分量自由(Ms Word)。
  成績は、各回感想50%、期末レポート50%の割合で評価します。
期末レポート期限は、追って連絡します。

担当教員の一言

経済発展が効率性を重んじ、公平性に対する考慮が軽んじられ、先進国・開発途上国に関わらず、「弱者」に対する考慮が特に重要になっている。種々の開発計画を将来手がけていくであろう社会工学の学生諸君は、「弱者」に対してどのような考慮が必要なのか、真剣に学んでほしい。

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