現代経済の諸問題   Lectures on Modern Economy

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担当教員
山邑 紘史 
使用教室
火3-4(W935)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
7748
シラバス更新日
2012年10月12日
講義資料更新日
2013年1月18日
アクセス指標
学期
後期  /  推奨学期:6

講義概要

本講義では,現代経済に関わる諸問題について,ミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学の理論を応用した分析の考え方や手法について解説します。本年度は,社会・経済システムを評価する上で必要不可欠な「社会選択論」の基礎を講義します。

講義の目的

現代経済では,産業政策・労働市場・財政・社会保障・金融などの各分野において,数多くの政策課題を抱えています。しかしその処方箋については,様々な立場から多様な意見がなされており,意見の集約が困難であるのが現状です。
本講義では「社会選択論」の基礎を学び,個々人の多様な意見を集約する方法について,論理的に分析する視座を養うことを目指します。

講義計画

Ⅰ投票
1多数決ルールと投票のパラドクス
2メイの定理による多数決ルールの特徴づけ
3提携形ゲームによる分析
4投票ゲームのコアと中村ナンバー
5単峰型環境と中位投票者定理

Ⅱ社会厚生関数
6社会厚生関数とアローの不可能性定理
7アローの不可能性定理の証明
8社会厚生汎関数と個人間比較可能性
9功利主義ルールとレキシミンルール

Ⅲメカニズムデザイン
10社会選択関数の戦略的操作
11耐戦略性とギバード・サタースウェイトの定理
12ナッシュ遂行とマスキンの定理
13マスキンの定理の証明
14単峰型環境におけるメカニズムデザイン

15講義のまとめ

教科書・参考書等

教科書:
講義資料を配布します。
参考書:
・主に参照するテキスト
Austin-Smith, D. and Banks, J.S. “Positive Political Theory,” The University of Michigan Press.
・一部参照するテキスト
岡田章「ゲーム理論」有斐閣
坂井豊貴・藤中裕二・若山琢磨「メカニズムデザイン:資源配分制度の設計とインセンティブ」ミネルヴァ書房
鈴村興太郎・後藤玲子「アマルティア・セン:経済学と倫理学」実教出版
ジョン ローマー(著)木谷忍・川本隆史(訳)「分配的正義の理論:経済学と倫理学の対話」木鐸社
・読み物
宇佐美誠「社会科学の理論とモデル4:決定」東京大学出版会
佐伯胖「『きめ方』の論理:社会的決定理論への招待」東京大学出版会

関連科目・履修の条件等

「ミクロ経済学第一」「ミクロ経済学第二」「非協力ゲーム理論」「協力ゲーム理論」が履修済であることが望ましい。

成績評価

レポート(30%)・期末試験(70%)に基づいて評価します。受講者数が少ない場合には,
期末試験の代わりに期末レポートを課す可能性があります。

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