社会における弱者に注目して,その社会と人間についての基本的問題の所在を明らかにし,種々の解決策などについて考察する。本講義においては,開発途上国への非政府組織による経済的社会的援助の問題,難民への援助の問題,地方自治体の国際協力としての先進国及び開発途上国の弱者への援助及び協力の問題,先進国,特に日本における老人医療の問題などに焦点を当てる。
講義の前半では、心理学、社会心理学、社会学の専門家から、主観的幸福感、社会交換理論、ジェンダー論など、社会問題を分析するための基本概念を学びます。また、後半は、社会問題解決に大きな役割を果たすことが期待されているNPO、NGOについて、社会福祉や途上国で先駆的な取り組み行なっている活動家から現場での取り組みを学び、ボランタリーな市民活動の原理と可能性について考える機会としたい。
●今年度の講義予定は、以下の通りです。
1 10/04(木) イントロダクション
10/11(木) 休講
10/18(木)休講
10/25(木)休講
2 10/30(火)社会制度と心のメカニズム1ー社会的交換理論 渡部 幹(早稲田大学社会心理学)*
3 11/06(火) 社会制度と心のメカニズム2ー社会的交換理論 渡部 幹(早稲田大学社会心理学)*
4 11/15(木) 高齢者のQOLと福祉政策1 内藤佳津雄(日本大学心理学)
5 11/22(木) 高齢者のQOLと福祉政策2 内藤佳津雄(日本大学心理学)
6 11/29(木) 性役割分業と生活時間の国際比較 佐藤香(東京大学社会科学研究所)
7 12/06(木) グローバル化する社会と感染リスク 中村好一(自治医科大学 公衆衛生学)
8 12/12(水) コミュニティビジネスとまちづくり金融 野口秀行(日本政策投資銀行)**
12/20(木) 休講
9 1/10(木) NPOと企業の社会貢献 山本美和(ボーンイング 政府担当部長)
1/17(水) 休講
10 1/24(木) 社会を変える高齢者NPO - NPO日米組織比較(九州大学人間環境学研究院) ***
11 1/31(木) NGOの役割-アフリカ、エイズの現場と国際政治 林 達雄(多文化共生センター 医師)
2/02(木) 予備日
* 10月30日、11月6日は、講師の都合で火曜日10時45分から12時15分まで
** 12月12日は、講師の都合で水曜日1時20分から2時50分まで
*** 1月24日は、講師の都合で3時から6時分まで連続
●授業の進め方
オムニバス形式で、行う。
各講師より指定される。
特になし
・各回講義終了後、感想(800字程度)を提出すること。次の講義の開始時に集めるので持参の事。
・最終授業後、講義に関連したテーマを一つ選び、レポートを提出。分量自由(Ms Word)。
成績は、各回感想50%、期末レポート50%の割合で評価します。
期末レポート期限は、追って連絡します。
経済発展が効率性を重んじ、公平性に対する考慮が軽んじられ、先進国・開発途上国に関わらず、「弱者」に対する考慮が特に重要になっている。種々の開発計画を将来手がけていくであろう社会工学の学生諸君は、「弱者」に対してどのような考慮が必要なのか、真剣に学んでほしい。